2015 Fiscal Year Annual Research Report
ペリニューロナルネットが関与する顎顔面領域の神経障害性疼痛病態機構の解明
Project/Area Number |
25860425
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
関 善弘 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30597274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋切除モデル / WFA / 三叉神経主知覚核 / 三叉神経脊髄路核 / 痛覚過敏 / 疼痛過敏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では齧歯類咬筋側頭筋切除モデルを用いて、三叉神経核群について定性的と定量的検討を行った(手術後3日、7日、28日)。結果を以下に示す。1.三叉神経主知覚核において、手術後28日でWFAの蛍光強度は手術側が反対側の0.68倍となっており、有意に低い値を示した。また、プロテオグリカンの一つである、アグリカンの蛍光強度は術後3、7、28日を通して、手術側と反対側で、有意差を認めなかった。2.三叉神経脊髄路核において、手術後28日でWFAの蛍光強度は手術側が反対側の1.19倍高く、有意に高い値を示した。また、アグリカンの蛍光強度は術後3日で手術側が反対側の1.33倍高く、有意差があることを示したが、その後は手術側と非手術側の三叉神経脊髄路核におけるアグリカンの蛍光強度は変化がなかった。3.三叉神経運動核において、WFAの蛍光強度は、術後3、7、28日を通して、手術側と反対側で有意差を認めなかったが、いずれの時系列においても、手術側が蛍光強度が高い傾向であった。4.顔面神経核において、WFAの蛍光強度は、術後3、7、28日を通して、反対側より手術側の方が蛍光強度が有意に高かった(術後3日:1.49倍、術後7日:1.65倍、術後28日:1.34倍)。これらの変化は顎顔面部領域の痛覚過敏や、疼痛過敏が持続するメカニズムに関与している可能性がある。
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