2013 Fiscal Year Research-status Report
慢性疼痛による不快情動に対する骨髄由来ミクログリアを介した新規治療戦略
Project/Area Number |
25860427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 敦史 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10551492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 不安行動 / 骨髄由来ミクログリア / 扁桃体中心核 |
Research Abstract |
GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞を,放射線全身照射したC57BL/6マウスに骨髄移植し,骨髄細胞がGFP陽性細胞に置き換わったGFPキメラマウスを作製した.骨髄移植28日後に,Seltzerらの方法に従い,坐骨神経部分結紮を行い,神経障害性疼痛モデルマウスを作製した.また,坐骨神経の剖出のみを行うシャムマウス,および侵襲を一切与えないナイーブマウスを作製した. 神経障害性疼痛モデルマウスにおいて,神経結紮翌日より神経障害性疼痛を発症すること,神経結紮28日後に不安行動がみられることが明らかになった.また,神経障害性疼痛モデルマウスにおいて,神経結紮28日後に扁桃体中心核に骨髄由来(GFP陽性)ミクログリアが集積することが明らかになった.各群間で,扁桃体中心核の内在性(GFP陰性)ミクログリアに有意な変化は認めなかった. 神経結紮28日後に,フローサイトメトリーを用いて,各群のマウスの扁桃体中心核より,骨髄由来(GFP陽性)ミクログリアと内在性(GFP陰性)ミクログリアを分別単離した.RT-PCRを用いて,各ミクログリアの炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6, TNF-α)およびケモカイン受容体(CCR2, CXCR4, CX3CR1)のmRNAの発現を解析した.その結果,骨髄由来(GFP陽性)ミクログリアでは,内在性(GFP陰性)ミクログリアと比較して,IL-1βおよびCCR2, CXCR4のmRNAの発現が増加し,CX3CR1のmRNAの発現が減少することが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究が交付申請書に記載した研究実施計画通りに進行しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得られた知見をもとに,今後はIL-1βおよびケモカイン受容体拮抗薬を投与し,神経障害性疼痛による不安行動への影響を評価する.
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