2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨量・骨質両面からの骨折予防対策のための男性骨粗鬆症コホート5年次追跡調査
Project/Area Number |
25860452
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤田 裕規 近畿大学, 医学部, 講師 (10330797)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 骨折 / 骨量 / 骨質 / 骨粗鬆症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベースライン調査を完了したFORMEN Study の5年次追跡調査を実現し、骨質指標の終末糖化産物であるペントシジン、終末糖化産物の内因性分泌受容体、ホモシステイン、低カルボキシル化オステオカルシンの男性骨折における測定意義について検討することである。 5年次追跡調査は平成24年と平成25年に完了し、平成26年度は、追跡期間中の死亡者を対象として郵送調査を行った。郵送調査では、骨折状況、死亡年月日、死因等の情報を収集した。調査対象となった164件中、137件の回答が得られ、回収率は83.5%であった。 研究全体として、ベースライン調査に参加した65歳以上の男性2174人を対象とし、調査を完遂した者は2012人であった。3年次に郵送調査あるいは5年次に追跡調査等を実施し、2006人が調査に参加した。解析は骨密度、ペントシジン、esRAGEのデータが得られた者1548人について行った。その結果、ベースライン調査時に骨密度が低い(Tスコアが-2.5未満)者において、新規の骨粗鬆症性骨折を起こした群では起こさなかった群に比べ、終末糖化物質(ペントシジン)は有意に高い値を示し、終末糖化物質の特異的受容体(esRAGE)は有意に低い値を示した。ホモシステイン、低カルボキシル化オステオカルシンについては、骨折の有無で有意な差はみられなかった。一方、ペントシジンの上昇は、糖尿病や腎機能の低下と関係していることが示された。 これらの結果より、終末糖化物質濃度の上昇あるいはその受容体濃度の低下は骨折を予測する因子である可能性が示唆された。
|