2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860456
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
喜多村 紘子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (20628531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 作業強度 / 心拍数 / RMR |
Research Abstract |
平成25年度は、心拍数を用いた作業強度評価法の確立のために必要な基礎的データの収集及び解析、作業現場で測定した心拍数による作業強度評価法の妥当性の検討を実施した。 基礎データの収集及び解析は、人工気候室内で上肢用及び下肢用エルゴメータを用いた最大運動負荷試験を実施し、測定した酸素摂取量から算出したRMRと心拍数の関係を分析した。上肢運動、下肢運動ともにRMRと心拍数の間には良い相関が認められたが、上肢運動と下肢運動ではRMRと心拍数から求めた回帰式の傾きに差が見られた。同等のRMRの場合、上肢運動では下肢運動よりも心拍数が多くなる傾向があった。心拍数を作業強度へ変換する際の留意点として、心拍数が同等であっても作業内容によりRMRには幅があり、具体的な作業を把握して上方もしくは下方へ修正し評価する必要があることが示唆された。 作業現場で測定した心拍数による作業強度評価法の妥当性の検討として、作業現場で試験的に測定した心拍数を用いて、人工気候室で実施した運動負荷試験で求めた個人ごとの回帰式から算出したRMR、一般的に用いられている心拍数とRMRの関係式用いて算出したRMR、作業内容から「働く人のエネルギー消費」に掲載されている作業強度の一覧表から推測したRMRを比較検討した。個人ごとの回帰式から算出したRMRと一般的に用いられている関係式、一覧表から推測したRMRの間には相違があり、特に一覧表から推測したRMRは他の方法で算出したRMRと解離が見られた。一覧表は該当する作業が記載されている場合、心拍数を計測する機器や作業者の負担がなく作業強度を推測できる半面、現状に即した一覧表でなければ作業が煩雑で有用性が低くなる。現在参考にされている一覧表は1970年代の作業態様を基に作成され、現代の作業態様に即していないことが確認でき、現状に即した作業態様の一覧表作成の必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度には、基礎的データの収集及び解析、心拍数による作業強度評価法の妥当性の検討を実施し、その上で作業現場で心拍数を測定する調査の説明を行い調査フィールドを確保していくことを計画していたが、調査フィールドを確保する活動が平成26年度からとなってしまった。現在、産業医科大学出身者が専属もしくは嘱託産業医として勤務している事業場において、調査の説明を行い、協力を依頼している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は引き続き、産業医科大学出身者が専属もしくは嘱託産業医として勤務している事業場において、調査の説明及び協力依頼を継続しつつ、協力が得られた調査フィールドでの心拍数測定調査を随時進めていく予定である。 現状、特に研究計画の変更はない。
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Research Products
(1 results)