2013 Fiscal Year Research-status Report
小児期の家庭内受動喫煙と肥満、酸化ストレスに関する研究
Project/Area Number |
25860461
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
和田 恵子 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00532673)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 受動喫煙 / 酸化ストレス / 肥満 / 内因性ホルモン / 小児 / 疫学 |
Research Abstract |
平成25年度は、学童を対象とした研究として、小学4年生と小学1年生の約1200名に対して調査を行った。父母の現在の喫煙状態に加え、喫煙歴、喫煙開始年齢、過去喫煙の場合には終了年齢、一日当たりの喫煙本数等を記入してもらった。母親に関しては、その 児を妊娠中に喫煙していたか、妊娠中の喫煙時期、喫煙本数についても尋ねた。両親以外の同居者についても、同様の情報を収集した。また、生活リズム、睡眠の質、夜間照明の強さ、食習慣、運動習慣、行動・情緒、出生時状況、生活環境等の情報も収集した。アンケートの提出と同時期に、早朝尿の採取もお願いし回収した。小学4年生は、同時に健康診断(身体測定、血圧測定、空腹時採血等)が行われていたので、そのデータを入手した。 幼児を対象とした研究では、ある幼稚園に通う3~6歳児約300名を対象に調査を行った。学童対象の調査と同様、保護者アンケートと早朝尿の採取を行った。 学童・幼児の調査の情報について、現在データ入力・集計を行っている。 幼児の対象となった幼稚園では、過去に生活習慣と内因性・外因性ホルモンやアレルギーに関する研究を行っており、この時得られた尿検体にて尿中コチニン値とNOx値の測定を行った。本調査では、受動喫煙の有無に関して聞き取り調査も行っているので、質問紙と尿中マーカーとの関連を評価した結果、高い相関がみられた。 今後は、得られたデータで詳細な解析を行い、小児期の受動喫煙が身体・精神に及ぼす影響について分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査の遂行、情報収集は、順調に行われた。過去の幼児の調査の尿検体で、尿中コチニン値とNOx値の測定が完了した。データの入力や分析にも着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も学童・幼児を対象とした調査を昨年度と同様に行う。調査継続によりデータの蓄積することで、さらに詳細な分析が期待できる。アンケートによる受動喫煙の把握、尿中コチニン値から、対象児のタバコ煙への暴露量をより包括的に評価するよう工夫する。将来的には、健康診断等の結果等とともに分析し、小児期の家庭内受動喫煙が、酸化ストレス等の機序を通じて、内因性ホルモンの分泌や代謝に影響を与えるか、肥満、メタボリックシンドロームの発症に関与するかを解明する。得られた知見をまとめ、学会発表あるいは論文として発表する。 今後、学童を対象とした調査では、追跡研究につなげていく予定であり、現在関係機関と連携・調整を行っている。これが可能になれば、受動喫煙の身体精神への影響を縦断的に評価できる。
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