2013 Fiscal Year Research-status Report
測定阻害因子を含む食品からのアレルギー物質の測定法の改良
Project/Area Number |
25860474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
村上 太郎 大阪市立環境科学研究所, その他部局等, 研究員 (70393254)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アレルギー物質 / ELISA / 阻害因子 / ポリフェノール |
Research Abstract |
本年度はアレルギー物質7項目(卵、乳、落花生、小麦、そば、えび、かに)のELISA法による測定について阻害因子のスクリーニングを行った。合計125試料の加工食品について、阻害因子のスクリーニングを行った。阻害因子が確認された原材料については同属の植物種にスクリーニングの範囲を広げ、阻害因子が植物種ごとに特異的なものであるかどうかを確認した。原材料については果実27試料、種実23試料、ドライフルーツ11試料の合計71試料について評価を行った。原材料中の阻害因子の評価の結果、小麦についてはバラ科のオランダイチゴ属(イチゴ)、キイチゴ属(ラズベリー、ブラックベリー)およびサクラ属(スモモ)、ツツジ科スノキ属(ブルーベリー、クランベリー)、スグリ科スグリ属(クロスグリ、アカスグリ)による阻害が確認された。種実についてはマメ科ナンキンマメ属(落花生)とアオイ科カカオ属(カカオ)による阻害が確認された。卵や牛乳については落花生による阻害が確認された。その他の検査項目と比較して、小麦の検出時には多くの原材料から阻害を受けることが確認されたため、阻害因子を含む食品からの小麦の検出法についての改良についても検討を行った。ELISA測定時にフラボノイド系ポリフェノールと結合性のあるゼラチンおよびPolyvinylpyrrolidoneを添加することにより、回収率の改善が確認されたため、阻害にはフラボノイド系ポリフェノールとの結合が関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレルギー物質7項目のうち小麦の検出について、阻害因子はフラボノイド系ポリフェノールが関与していることが示唆されたため、計画は概ね順調である。その他の項目については、引き続き阻害因子のスクリーニングを行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギー物質7項目のうち、小麦については原材料中の阻害因子はフラボノイド系ポリフェノールであることが示唆されたため、今後は加工食品からの検出法の改良と阻害機序の解析についての検討を行う。その他の検査項目については、25年度に引き続き、阻害因子のスクリーニングを行い、測定対象のタンパク質と阻害因子を含む原材料の一覧を作成することによって、測定時に注意するべき原材料の組み合わせを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は小麦の阻害因子のスクリーニングにおいて、多くの原材料で阻害因子が確認されたので計画を変更し、小麦についての解析を優先したため、未使用額が生じた。 次年度使用額については加工食品からの検出法の改良のための物品費として使用する。
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Research Products
(3 results)