2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療器材の安全性確保のための洗浄効果評価指標の開発と妥当性の検証
Project/Area Number |
25860477
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 祐平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90422295)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療器材 / 再生処理 / 洗浄 / 洗浄効果の評価 / ATP測定法 / 感染防止 / 感染制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、医療現場で導入可能な医療器材の洗浄の質の評価指標の開発を目的とし、医療器材や環境表面の汚染度評価の簡便法として利用されるATP測定法を利用して医療器材の残留タンパク質量を予測する方法を考案しその精度を検証した。 医療器材の洗浄効果の評価体系の構築を図るために、汚染採取方法の手順を考案し、実験過程での経験に基づいて改良した。医療現場において簡便迅速かつ適切に医療器材表面のATP量の測定をおこない残留汚染量と洗浄効果を評価するための作業手順書を作成した。 また、医療施設で使用される鋼製小物を洗浄後に収集し、それぞれの表面に付着するATPの量と残留タンパク質量を測定した。ATP量の測定では医療器材1点あたりの量にくわえて構造別小面積あたりの量も測定した。その上でタンパク質量とATP量の関係について検討した。検討結果に基づいて、医療器材表面のATP量から器材全体の残留タンパク質量を予測する計算式を考案し、その精度と妥当性を評価した。 さらに、医療器材の汚染状況が手術での使用とその後の再生処理によりどのように変化するか調べた。鋼製小物と手術支援ロボット用操作鉗子を手術後および洗浄後に収集し、それらの表面に付着するATPとタンパク質の状況を調べた。その結果として、手術での使用による医療器材の汚染の程度、ウォッシャーディスインフェクターで洗浄された後の鋼製小物表面へのタンパク質とATPの残留、推奨手順に沿った用手洗浄の後の操作鉗子の内腔部分へのタンパク質とATPの残留が明らかになった。
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