2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療の質保証と医療費適正化に寄与する電子CPの実現に向けたPOMRの有効活用
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25860480
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩穴口 孝 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80619198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子クリティカルパス |
Outline of Annual Research Achievements |
クリティカルパス(以下、CP)を利用する目的として、良質な医療を安全に効率的に提供することが挙げられる。良質な医療の提供と安全性についてはEBMに基づいた診療内容であるかという点、効率的な医療については保険診療に則った無駄のない診療内容であるかという点で評価を行う必要がある。健康保険法に基づく医療機関への個別指導の指摘事項を元に、電子CPの事前審査および運用後の評価を行うためのチェックツールを開発し、過去の診療実績を元にツールの妥当性の検証と不適切な診療内容に至る要因を分析した。分析には、多くの医療機関が指導される項目としてCRPに関する指摘事項を用いた。退院患者のDPC別に分析した結果、CRPとESRの併施は関節リウマチ等の自己免疫疾患、脳症等の神経系疾患で併施率が高かった。CRPの連日測定は循環器疾患、消化器系炎症性疾患、敗血症や急性白血病で多かった。CRP連日測定の患者比率の多いDPCのうち、症例数の多い060010xx01x1xx、050080xx0101xx、06007xxx0101xxについて、具体的な測定状況を確認したところ、手術日を契機として、それ以降一定期間CRPを測定するといった診療内容が確認された。これらの不適切な診療内容に至る要因としては、セットオーダが大きく影響していた。電子CP導入のメリットとして、複合的なセットオーダとしての機能を期待する医師は少なくない。セットオーダやDoオーダは利便性が高く業務の効率化に寄与する機能であるが、オーダ内容の必要性が評価されないまま画一的な診療に繋がるリスクもある。本研究で開発したチェックツールでは、個別指導の指摘事項に該当する患者群の抽出が可能となった。さらにセットオーダ等の病院情報システム上のマスタとの一致状況を確認することで、指摘事項に該当する診療内容に至る要因分析や習慣的な医療行為の再評価が可能となった。
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