2015 Fiscal Year Research-status Report
患者の医薬品備蓄とセルフメディケーションの実態からみた災害・精神医療に関する研究
Project/Area Number |
25860483
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中島 範宏 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10567514)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 医薬品 / 災害備蓄 / 災害医療 / 精神医療 / 睡眠導入剤 / セルフメディケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,これまでに集約および分析した基礎資料をまとめる作業を行った。東日本大震災は諸外国においてもインパクトがあったと考えられるため,本研究の下地となる東日本大震災時の医療機関の対応および備蓄品に関するデータをまとめ,英文にした。一部は論文として投稿中である。過去の国内外の先行研究や資料において,災害時用品の備蓄場所と備蓄品の運搬の在り方に関して警鐘を鳴らすものは少なからず存在するが,本年4月に発生した熊本地震でも備蓄倉庫から避難所へ物資が届かないなどの問題が生じている。生活用品と医薬品,医療材料とでは目的と緊急性はそれぞれ異なりはするが,本研究によって医薬品を中心とした備蓄の在り方を提示することにより,災害時における生活用品や医療材料の備蓄の望ましい姿も描出できる可能性がある。 また,日本医療・病院管理学会などの学会に参加し,市民のセルフメディケーションに関する研究を行う他施設の研究者の発表から知見を得た。更に,その研究者から研究報告書を送付して頂き,最終年度に予定しているアンケート調査の質問項目を改良するための参考にした。これらの知見をもとにアンケート調査の対象,規模など具体的方法を確定し,調査票の作成を行った。調査対象地域および対象団体を選定し,アンケート送付先のリストアップを現在行っているところである。 次年度(最終年度)は,上記のアンケート調査の印刷・配布・回収・入力作業を専門業者に委託し,入力データを納品していただく予定であり,学会発表と論文執筆を行いたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以前,研究代表者を務めた若手研究(B)の研究課題(以下,前課題ということにする。課題番号:23790582)は当初は2012年度で終了予定であったが,補助事業期間を2013年まで延長した。その結果,前課題の最終年度と本研究課題の初年度が重複することになった。エフォートへの影響もあるため,本研究課題についても補助事業期間の延長を視野にいれながら進めてきた経緯もあり,当初の交付申請書に記載した研究計画と比較するとやや遅れているといえる。 また,アンケート用紙印刷・発送等の作業場所と見込んでいた部屋を学内に確保していたが,その部屋のある建物がキャンパス整備の一環として取り壊し対象となり,使用不可となってしまったため,アンケート実施に関する作業が遅れることになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
学内に確保していたアンケートの作業部屋が使用できなくなったが,アンケート調査に関する諸作業を外部の専門業者に委託することによって対応する。 本年度はアンケート調査の実施と分析,学会発表および論文による結果の公表を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのはアンケート調査が未実施であるためである。アンケート調査に係る経費およびアンケート調査の成果報告のための諸経費が未使用であるため,それらに相当する金額が次年度使用額として生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンケート調査を実施する際に,印刷・配布・回収・データ入力は専門業者に依頼するため,そのための経費として使用する。 また,アンケート調査の結果を分析し,成果報告を行うための学会参加費・旅費,英文論文校正費などにも使用する。 本研究の総括を行う際に必要な図書などがあれば,その購入も行いたいと考えている。
|