2013 Fiscal Year Research-status Report
アルコールによるAQP4 active-site同定による脳浮腫発症機序の解明
Project/Area Number |
25860493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00423757)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクアポリン4 / アストロサイト / 脳浮腫 / ナトリウム / アルコール |
Research Abstract |
飲酒後の脳挫傷後脳浮腫の悪化は、脳におけるaquaporin-4 (AQP4)が関与する。AQP4は電解質と関連があることがわかっており、ナトリウム(Na)チャンネルと共役、調整されていることが知られている。そこで初代培養rat astrocyteを使用して、NaおよびエタノールのAQP4発現に及ぼす影響を検討した。生後2-4日のrat pupからastrocyteを抽出し、calf serumを10%含んだ等張MEM培地(NaCl: 680 mg/dL)、低Na MEM培地(NaCl: 410 mg/dL)および高Na MEM培地(NaCl: 950 mg/dL)で培養し、さらにエタノールを0-100 mM添加した。培養後30分、3時間, 6時間, 24時間後にastrocyteを回収しタンパクを抽出後AQP4の発現をwestern blottingで検討した。またエタノール存在下でのNaの影響を検討するため、等張MEM培地にエタノールを添加し3時間負荷させた後、低Na MEM培地および高Na MEM培地に3時間負荷し、同様にAQP4発現を検討した。低Na環境はastrocyteにおけるAQP4の発現を上昇させた。しかしながらエタノール存在下では低Na環境はAQP4発現を減少させ、また高Na環境は上昇させた。これらのことから、エタノール存在下でのAQP4発現変化にNaが関与することが示され、AQP4による脳浮腫形成機序の解明に繋がる可能性が示唆された。次年度はAQP4およびNaチャンネルを抑制するsiRNA等を使った検討を行い、さらに動物疾患モデルへの応用により有効で副作用の軽減が期待できる治療薬の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初代培養アストロサイトのナトリウム環境の変化及びエタノールに対するAQP4発現の検討を行うことができた。またAQP4及びNaチャンネル類を効果的に抑制するsiRNA等の準備が完了している。論文発表及び国際学会を含めた学会発表を行っており、国内学会での発表内容は座長推薦論文として選出され、現在論文作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイトに対するAQP4及びNaチャンネルのsiRNA等によるAQP4発現抑制の検討を行い、有効性が確認された後に脳挫傷モデル、脳梗塞モデル、脳腫瘍モデルラットに対する脳浮腫軽減効果を検討する。またより有効に脳内へ投与するためのdrug deliveryの開発も目指す。研究成果は英語論文及び国際学会を含めた学会発表で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度内までに納品予定の製品が年度内に納品困難であることが年度末に判明したことから、キャンセルを行い次年度使用額が発生した。 予定していた製品を次年度に購入する。
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Research Products
(5 results)