2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールによるAQP4 active-site同定による脳浮腫発症機序の解明
Project/Area Number |
25860493
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片田 竜一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00423757)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクアポリン4 / ナトリウムチャンネル / 脳浮腫 / アルコール |
Outline of Annual Research Achievements |
エタノールによる脳挫傷後脳浮腫の悪化は、脳アストロサイトに発現するアクアポリン4 (AQP4)の発現増大が主な原因である。AQP4はナトリウムチャンネルをはじめとした種々イオンチャンネルと共役、調整されることが知られている。またAQP4のアンカー蛋白であるalpha-syntrophinはNa-K-2Cl cotransporter-1 (NKCC1)とも関連することが知られている。そこで本研究では、浮腫に及ぼすエタノール及びナトリウムの影響を明らかにすることで、脳浮腫の機序解明を目指した。そこで、ラット初代培養アストロサイトを使用し、培地環境を低ナトリウム及び高ナトリウムあるいはエタノール負荷下において、ナトリウム及びエタノールのAQP4発現に及ぼす影響を検討し、さらにNKCC1に対するsiRNAを用いて、ノックダウンがAQP4発現にどのように影響するかを検討した。低ナトリウムはアストロサイトにおけるAQP4発現を増大させるが、siRNAによりNKCC1をノックダウンさせると増大が抑えられた。しかしながら、siNKCC1によるノックダウンにおいては、AQP4及びNKCC1のアンカー蛋白であるalpha-syntrophinの発現に有意な変化を認めなかった。これらのことから、ナトリウム異常による脳浮腫の形成につながるAQP4発現変化はAQP4とナトリウムチャンネルとの共役変化が関与する可能性が示唆された。今後は、AQP4及びNKCC1の結合性や転写制御因子に着目して、さらなる機序解明を目指す。
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