2014 Fiscal Year Annual Research Report
五苓散によるアクアポリン2発現調節機序及び末梢性浮腫改善機序の解明
Project/Area Number |
25860497
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
条 美智子 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教 (80432110)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 五苓散 / アクアポリン / 浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
Zucker Fatty ラットおよびGKラットにピオグリタゾン(P群)の経口投与を行い、併せて0.5%および1%に調製した五苓散エキス粉末含有飼料(0.5%GRS群・1%GRS群)、ポジティブコントロールとしてフロセミド(Fur群)またはスピロノラクトン(PS群)を4および8週間投与した。また正常対照群をC群とする。 Zucker FattyラットにおいてGRS群はP群およびFur群と比べ、飲水量および尿量の有意な差は認められなかったが、尿浸透圧および尿中Na排泄量は有意に増加した。また、P群の腎皮質におけるAQP1~3タンパク質発現量はC群に比較して有意に増加し、GRS群より有意に減少した。Fur群の腎髄質内層におけるAQP1および腎髄質外層のAQP3タンパク質発現量はP群に比較して有意に増加し、GRS投与により有意に減少した。 GKラットでの飲水量については、GRS群はP群およびPS群と比較して有意に減少し、尿量・尿浸透圧についても、GRS群はPS群と比較して有意に減少した。血糖値の経時的変化を検討したところ、C群に比べ、P群およびPS群が有意に減少し、さらに0.5%五苓散群においてはC群、P群、PS群と比べ有意に減少した。GRS群の腎髄質外層におけるAQP1タンパク質発現量はP群と比較して有意に増加し、AQP2タンパク質発現量は、PS群と比較し有意に減少した。 五苓散の投与により飲水量・尿量および腎組織中のAQP2タンパク質発現量が減少したことより糖尿病の病態である口渇と頻尿を改善した可能性がある。また血糖降下作用においてはピオグリタゾンに比べ、五苓散を併用することで増強されたことからピオグリタゾンと五苓散を用いた糖尿病に対する併用療法が有効である可能性が示唆された。 現在は、腎組織中のチャンネル及びトランスポータータンパク質発現量の検討中である。
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