2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860500
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
足立 正 鳥取大学, 医学部, 助教 (50555711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前頭側頭葉変性症 / 疫学 / 認知症 / 病理 |
Research Abstract |
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobal degeneration;以下FTLD)は、①前頭側頭型認知症(FTD; frontotemporal dementia)、②進行性非流暢性失語(PNFA; progressive non-fluent aphasia)、③意味性失語(SD; semantic dementia)を含む疾患概念である。FTDは人格変化、行動障害が中核となる認知症で、前頭側頭葉の萎縮を認める。PNFAは呼称や語想起の困難で発症し、シルビウス裂周囲の脳萎縮を認める。SDは単語にのみ特異的な障害を示し、文の理解には障害を認めない失語症を呈する認知症で、側頭葉前方の脳萎縮を認める。FTLDの本邦の疫学研究はほとんどない。本研究の目的は、FTLDの頻度、臨床症状、治療やケアの現状を捕らえることである。平成25年度は、一次調査として、鳥取県内および近隣の精神科、神経内科医師(神経内科27施設、精神科22施設、合計49施設)を対象としFTLDの有無について返信してもらった。二次調査として、臨床症状、神経所見、認知機能検査、画像所見、治療について返答を依頼した。予備調査として平成22年度に、当地域におけるFTLDの頻度を発表した(Wadaら 2010)。本論文にて、FTLDは10万人あたり11.2人の有病率であることを明らかにし、66例のFTLD患者が抽出された。これら患者の追跡調査も並行して行っている。平成25年度末時点で、各施設、診療所、病院へ調査表の送付を終了し、集計、追跡調査作業中である。現在の回収率は59.2%である。次年度は、調査回収率を上昇させ、各施設へ訪問し、臨床情報の確認を行う。また、生体試料(血液、脳脊髄液)を用い、関連マーカー測定、FTLD関連遺伝子変異を検索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケートの回収率が低く、十分な調査となっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートの低回収率に関しては、再郵送あるいは直接訪問ないし電話での確認を行っていく。また、前回調査時のfollow症例に関しては、可能な限り訪問調査を行い、有用性のある調査とすることを目標とする。死亡された患者に対しては病理解剖の協力を依頼し、病理学的背景に基づくFTLD実態調査を最終目的とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、アンケート調査による郵送費および最終病理確定のために必要な抗体、試薬などの購入に充てた。その為当初の計画より残額が生じている。 平成26年度は訪問調査を合わせて行うため、交通費を含めた諸経費が増額計上されると予想される。また、研究成果発表のための諸経費もかかると思われる。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 嗜銀顆粒性認知症の診断2013
Author(s)
足立正、齊藤祐子、中島健二、村山繁雄
Organizer
第32回日本認知症学会総会シンポジウム
Place of Presentation
松本市キッセイ文化ホール
Year and Date
20131108-20131108
Invited
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