2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性偽性腸閉塞症に対する新たな診断モダリティーの確立および病態解明
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25860503
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大久保 秀則 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70622588)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性偽性腸閉塞 / シネMRI / データベース化 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性偽性腸閉塞(CIPO)は重篤かつ生涯にわたりそのQOLを低下させ、時に死に至る難治性疾患であるにもかかわらず、疾患認知度が低く明確な診断基準が存在しないなどの理由で正確な診断がなされず不適切な管理を余儀なくされた患者も多かった。我々はこの現状を憂慮し世界で初めて明確な診断基準を提唱し、国内において診断における高い感度を示すことを報告してきた。一方でその病態を理解するために、従来のCTやレントゲンといったモダリティにはない、ダイナミックな画像評価方法の確立が急務であった。我々は平成25年、26年を通じ、「シネMRI」という動画として小腸運動を視覚化しうるモダリティを開発し、対照として健常者やIBS患者と比較することでCIPO患者の小腸蠕動低下を科学的に証明することができた。この成果は Ohkubo H, Nakajima A, et al. Assessment of small bowel motility in patients with chronic intestinal pseudo-obstruction using cine-MRI. Am J Gastroenterol. 2013; 108: 1130-9. として米国一流誌に報告した。さらに平成26年度には全国規模で症例集積を重ね、CIPO患者データベースを作成した(現在も作成中である)。CIPO患者の腹部臨床症状とシネMRIによる収縮率・腸管径の関連などを解析することは、まさに病態解明そのものに迫るものであり、今後その成果を学会発表・論文などを通して世に公表し、医学・社会への還元を行う予定である。
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