2014 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の歩行障害に対して鍼治療は有効であるか?
Project/Area Number |
25860509
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
福田 晋平 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 研究員 (30641998)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 鍼治療 / 歩行障害 / 携帯型歩行計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまで行われていなかったパーキンソン病の歩行障害を質の面から分類し詳細な鍼治療の効果を検討することである。本研究では、携帯型歩行計を用いて、歩行の力強さ(平均歩行加速度)、歩幅、歩行速度、歩行率を指標とし、パーキンソン病の歩行障害に対する鍼治療効果の有効性を検討するものである。また、これらの歩行機能とともにTimed Up and Go Testによる歩行バランス機能や、大腿四頭筋筋力、Functional Reach Testによる姿勢保持機能を測定し、歩行機能に対する鍼治療の効果を包括的に検討するものである。 平成25年度よりパーキンソン病患者をリクルートし、鍼治療期間(12週間)とwashout期間(4週間)、鍼治療休止期間(12週間)の条件反転法による研究デザインを用いて、効果を比較した。本研究にパーキンソン病患者20例が参加したが、7例が薬物治療の変更や骨折などでdropoutし、13例の結果を解析した。鍼治療期間の前後において、歩行速度や歩行率の改善傾向がみられ、歩行バランス機能やFunctional Reach Test、大腿四頭筋筋力が有意に増加した。また、鍼治療休止期間の前後において、これらの運動機能が悪化し、交互作用がみられた。 本研究で得られた結果から、標準的な薬物治療に鍼治療を併用した方が、標準的な薬物治療単独よりもパーキンソン病の運動機能及び歩行機能が向上することを客観的に示すことができた。現在、論文投稿の準備を行っている。
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Remarks |
パーキンソン病患者に対する鍼灸治療の啓蒙、当該臨床研究の告知、患者のリクルートを目的としてサイトを作成し活用した。本サイトを閲覧し、当該臨床研究に参加したパーキンソン病患者や問い合わせ等が複数件あり、効果があったと考えられた。
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