2014 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス蛋白による宿主自然免疫からの回避機構の解明
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25860522
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
新田 沙由梨 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (20527056)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | C型肝炎 / 自然免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、新規抗C型肝炎ウイルス(HCV)薬の開発や抗HCV薬の薬理作用解明のための基盤を形成することを目的として、H25年度に得た結果を基に更に研究を発展させ、HCVのNS4B蛋白による宿主のIFN応答阻害機構に関する検討を行い、以下の結果を得た。
1. NS4BのIFN抑制作用に重要なアミノ酸配列の同定:研究代表者らは以前にNS4B蛋白のN末端側(アミノ酸1-84)のいずれかのドメインがIFN-β経路の抑制に必要であることを示した (Nitta, et al. Hepatology 2012)。NS4B 1-84番目のアミノ酸を4アミノ酸ずつアラニン置換した変異体を網羅的に作成し、promoter assayを施行したところ、24-27番目のアミノ酸を置換した変異NS4B(NS4Bm24-27)がIFN-βpromoter活性の抑制に重要であることが示された。免疫染色では、野生型NS4Bと同様にNS4Bm24-27とSTINGとの共局在を認めた。 2. NS4BによるIFN-λ発現経路の抑制作用に関する解析: H25年度の検討より、NS4BN末端側(1-84アミノ酸)がIFN-λの発現誘導を抑制する事が示された。IFN治療効果に関連するSNPの異なった2種類のIL28B promoterを用いた検討では、NS4BによるIL28B抑制作用に大きな差を認めなった。IL28B promoter を用い1と同様の検討を行ったところ、同様にNS4Bm24-27がIL28B promoter活性抑制に重要である事が示された。(2014年日本肝臓学会総会で発表) 3. NS4Bの変異が治療効果に及ぼす影響についての臨床病態学的解析:現在までに行った少数例の検討では、IFN治療無効例の血清から得たHCVの一部においてNS4BのN末端側に存在するアミノ酸変異を認めるものもあり、同領域の変異がIFN治療効果と関連を認める可能性が示唆された
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Research Products
(2 results)