2013 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質チロシンフォスファターゼShp2による炎症制御機構の解明
Project/Area Number |
25860526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長田 直人 金沢大学, 脳・肝インターフェースメディシン研究センター, 特任助教 (70456408)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 過栄養 / 脂肪肝炎 / チロシンフォスファターゼ |
Research Abstract |
近年,高脂肪食や運動不足によりもたらされる過栄養状態を背景として,脂肪肝炎(Non-alcholic steatohepatitis, NASH)が年々増加しており,近年では、原因不明の肝硬変・肝がんの主たる基盤病態であると考えられている。本研究では、申請者が作出した脂肪肝炎・肝がんモデル動物において、肝臓特異的Src homology phosphatase 2(Shp2)遺伝子欠損、およびShp2阻害剤の効果を検討する。肝臓の脂肪化から炎症の誘導・維持におけるShp2の役割を明らかにし、Shp2が脂肪肝炎の新規治療標的分子となる可能性を検討する。 これまでに、Shp2(flox/flox)とAlbumin-Creトランスジェニックマウスを交配させ、少数の肝臓特異的Shp2欠損マウスを得ることができた。しかしながら、実験に必要な頭数を確保するまでには至っていない。今後は、早急にマウスコロニーを拡大し、実験計画に従い脂肪肝炎の誘導を開始する。また、市販されている数種のShp2阻害剤をマウスに投与し、それぞれの阻害剤の毒性や最適な投与量を検討している。阻害剤の選定後、脂肪肝炎モデルマウスへの投与実験を開始する。 さらに本研究では、脱リン酸化活性をもたずに基質と結合し続けるShp2変異体(Shp2 D425A/C459S)を用いた共免疫沈降法により、Shp2の新規基質を探索する。既に正常型ヒトShp2 cDNAをクローニングし、点変異を導入しており、すぐに使用可能な状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に供する肝臓特的Shp2欠損マウスの繁殖状況が期待していたほど良好でなく、当初のスケジュールで進行していないため、実験の開始が遅れている。その他の実験は概ね当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの交配効率を上げていくため、マウスのストレス軽減する床敷き等の環境を整える。その他に関しては、当初の計画通り研究を随行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額で購入できる必要な物品が見当たらず、次年度使用のため繰越とした。 少額であるため、次年度の助成金と合わせて計画通りに有効に利用する。
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Research Products
(2 results)