2013 Fiscal Year Research-status Report
肝臓線維化における疾患特異的腸内細菌と腸肝循環マクロファージのクロストーク
Project/Area Number |
25860559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中本 伸宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40383749)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マクロファージ / ケモカイン / 肝線維化 |
Research Abstract |
7-8週齢の雄性C57BL/6マウス、およびCCR9欠損マウスを用いて、週3回計6週間四塩化炭素(CCl4)を腹腔内に投与し肝線維化を惹起した。四塩化炭素の最終投与の24時間後にマウスより肝臓を摘出し、肝臓内に存在する免疫細胞の解析、野生型およびCCR9欠損マウスにおける肝線維化の程度、線維化抑制機序の検討を行った。 線維化肝臓内に急性肝障害時同様にTNFα産生能を有するCCR9陽性CD11b+F4/80+マクロファージが著明に増加していた。CCR9陽性CD11b陽性マクロファージはCD80、CD86、およびLy6c陽性で、LPS刺激によるTNFα産生能を有していた。CCR9を発現することが報告されているpDC、NK細胞、CD8 T細胞、CD4 T細胞分画のCCR9発現を検討したところ、何れの細胞分画においても線維化過程における発現上昇を認めなかった。さらに肝臓内のCCR9発現細胞を定量的PCR法にて詳細に検討したところ、線維化肝のマクロファージおよび星細胞においてCCR9の発現が増加しており、一方CCL25発現は類洞内皮細胞においてのみ上昇していた。興味深いことにCCR9陽性マクロファージ、およびCCR9陽性星細胞は線維化の程度が強い門脈域に共局在していた。CCR9欠損マウスを用いて同様の検討を行ったところ、野生型と比較して肝臓内のCD11b陽性マクロファージの数、およびCD11b陽性マクロファージ分画におけるTGF-β, α-SMA, collagen 1a 等の線維化マーカーの発現が減弱しており、その結果、CCR9欠損マウスにおいて肝線維化が有意に軽減していた 。以上の結果より、肝線維化の病態形成におけるCCR9陽性マクロファージの関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は急性肝障害同様、肝線維化においてもCCR9陽性マクロファージが病態に関与していることを明らかにすることができた。次年度以降の準備もすすんでおり、おおむね順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降はCCR9/CCL25axisが肝線維化に重要な役割を果たす免疫学的機序を明らかにする。特に星細胞との相互作用、およびCCR9陽性マクロファージの肝臓への遊走機序として疾患特異的な腸内細菌の関与を追究したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
納入予定の消耗品が当該年度に納入できなくなったため、少額であるが次年度使用分が生じた。 次年度の消耗品使用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)