2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860563
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
土肥 弘義 昭和大学, 医学部, 助教 (70465102)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 記憶B細胞 / 肝硬変 / 液性免疫 / 免疫グロブリン / TLR9 / TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に準備をしたFlowcytometry (FCM)の染色パネルや末梢血単核球細胞(PBMC)を用いて実験を行った。 我々の以前の報告と一致して、健常者と比べ肝硬変患者では末梢血中のCD27+記憶B細胞は減少していた。同時にCD4+およびCD8+T細胞ともに、エフェクターメモリーT細胞(TEM:CCR7-CD45RA-)が肝硬変患者では低下しており、さらにCD4+、CD8+TEM細胞ともに記憶B細胞と相関していた。これらの記憶BおよびT細胞は、肝障害が進行するに従って減少し、肝硬変患者の易感染状態を反映するものと考えられた。免疫記憶細胞障害の機序は不明だが、肝硬変では血清中B細胞活性化因子(BAFF)の増加しており、B細胞障害に関与している可能性が示唆された。 B細胞に発現するレセプターを介した種々のシグナルが、その活性化や分化、サイトカイン・免疫グロブリン産生を誘導する。本研究では、B細胞レセプター(BCR)、TLR4、TLR9の刺激によるB細胞の活性化と細胞死について解析した。 刺激・培養したB細胞を、CD27陽性記憶B細胞とCD27陰性ナイーブB細胞に分けて解析した。記憶B細胞に比べてナイーブB細胞では、同等の刺激に対する活性化が弱く、同時により多くの細胞でアポトーシスする傾向にあった。シグナル別では、BCR刺激がある場合により強い活性化と生存が可能となり、その傾向はナイーブB細胞で顕著だった。興味深い事に、短期間の培養実験でさえ全ての刺激を同時に与えると、活性化マーカー上昇が同程度であってもアポトーシスする細胞は多くなり、シグナルのバランスが重要であると考えられた。また今回の実験でも培養後にCD19やCD27の発現自体が減少している場合があり、形質細胞分化などの可能性も考えられ、そのマーカーであるCD138陽性細胞についても今後検討する必要があると考えられた。
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