2013 Fiscal Year Annual Research Report
Caveolin-1による内皮由来過分極因子と活性酸素種の調節機構についての検討
Project/Area Number |
25860579
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白戸 崇 東北大学, 大学病院, 助教 (40647567)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 活性酸素種 |
Research Abstract |
血管内皮は内皮由来弛緩因子(EDRF)と総称される弛緩因子を産生し、心血管系の恒常性維持に極めて重要な働きをしている。EDRFの一つである内皮由来過分極因子(EDHF)の本体は過酸化水素(H2O2)であり、内因性のEDHF/H2O2は心血管系に対し保護的に働くが、我々は近年Caveolin-1遺伝子欠損マウスの腸間膜動脈において、EDHFによる血管弛緩反応が野生型マウスと比較し減弱することを報告した。Caveolin-1は細胞膜マイクロドメインCaveolaeの構成蛋白であり、内皮型一酸化窒素合成酵素を抑制的に調節している他、様々なシグナル伝達経路の関与するが、Caveolin-1のEDHF/H2O2の調節メカニズムは未解明であり、本研究においてその分子メカニズムを検討した。 始めにウシ大動脈内皮細胞(BAEC)を用いて、siRNAによるCaveolin-1蛋白発現抑制48時間後に細胞外H2O2の検出薬であるAmplex Redを用いて培養液中に放出されるH2O2産生量を検討したところ、予想に反してCaveolin-1発現抑制BAECにおいて培養液中のH2O2が上昇することを見出した。また、細胞内H2O2バイオセンサーであるHyPerを細胞質に形質導入しsiRNAによるCaveolin-1の発現抑制を行ったところ、Caveolin-1発現抑制BAECにおいて細胞内H2O2も上昇していることを見出した。さらに、Caveolin-1発現抑制BAECでは、細胞レベルでの酸化還元状態の指標である還元型・酸化型グルタチオン比(GSH/GSSG比)が低下し、細胞内ROSを蛍光標識できるCM-H2DCFDAを用いたフローサイトメトリーによる検討では細胞内ROSの増加を見出した。上記結果は現在論文投稿中である。
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