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2013 Fiscal Year Research-status Report

ミトコンドリア老化関連蛋白GLO1による新たな心不全発症機序の解明と治療応用

Research Project

Project/Area Number 25860580
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

舟山 哲  山形大学, 医学部, 医員 (70642495)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords心不全
Research Abstract

我が国では近年、高齢者の心不全患者の増加が著しい。
心不全発症には心筋細胞老化に伴う心筋細胞機能低下が関係している。Glyoxalase-1;GLO1)は細胞ミトコンドリアに存在し、抗老化作用を示すことが近年明らかにされている。本研究ではGLO1の心筋細胞内での役割を解明し、心不全の進行に対する新しい治療法の開発を目指すことを目的とする。
メチルグリオキサール(MG)はMGは解糖系の代謝副産物であるが、反応性の高いジカルボニル化合物であることから、タンパク質、DNAを非可逆に修飾し、老化・細胞死を誘発するといわれている。GLO1は細胞内で毒性の強いMGを乳酸へと無毒化する役割を担っている。MG 蓄積が心不全と関係があるかどうかを心不全入院患者の採血サンプルを用いて検討した。心不全患者を心臓死によるイベントの有無により、2群に分けると、イベント有り群で有意にMGは高値であった。
Kaplan-Meier 曲線の解析により、中央値で振りわけたMG高値群は低値群と比較して有意に心臓死が多かった。心筋内GLO1の量的動態を検討するため新生仔ラットの初代培養心筋細胞を用いて心筋刺激(ドキソルビシン)における、GLO1発現量をWesternblotting法で検討した。心筋内GLO1がドキソルビシン刺激により、刺激前と比べ有意に低下しており、心筋内GLO1の量的低下が心臓老化・心不全に関与する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新生仔ラットの初代培養心筋細胞を用いて実験を行うことはできたが、GLO1のノックダウンと過剰発現による心筋細胞での効果を検討できなかった。更にミトコンドリア蛋白を分離し、GLO1の量的変動を検討する予定であったが、心筋細胞全体のGlo1発現のみしか検討できていない点が遅延の原因としてあげられる。心不全入院患者の採血サンプルを用いて、血中MG濃度と心不全の進展度に相関があるかどうかを、ELISA法で検討できたが、サンプルの確保の問題で心筋生検で得られた、不全心筋でのMG発現量・GLO1発現量を免疫染色で検討するところまでは至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

各種心筋刺激後のGLO1の量的変化をウエスタンブロッティング法を用いて確認を行う。
GLO1をSiRNAによってノックダウンさせ、心負荷が増大するかどうか検討を行う。免疫組織染色にてGLO1の局在・発現量を検討する。現時点で新生仔ラットの初代培養心筋細胞ではサンプル確保の問題などから実験の遅延が生じる可能性があるため、ラット心臓横紋筋のcell lineであるH9c2 cellを代用して用いることを検討している。
アンジオテンシン受容体阻害薬が心筋細胞のGLO1活性を上げ、心筋細胞老化防止機能があるかどうかの付加的役割について検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

新生仔ラット培養心筋細胞を用いたGLO1に関するin vitroの実験系での検討を行っており、薬剤の各種刺激での評価が必要になる。更に、Primary cellでの実験系であり、細胞抽出や蛋白濃度測定などが今後も必要となりうる。また実験をできるだけ円滑に行うため、H9c2細胞を用いた研究を検討しており準備が必要である。
新生仔ラット培養心筋細胞を用いたGLO1に関するin vitroの実験系での検討を行っており、細胞内シグナルや蛋白濃度の測定を行うため、ELISAキット、抗体、試薬類などの消耗品が必要となる。
更にはヒトサンプルの検討を行うためELISAキットが必要になると考えられる。
H9C2細胞を購入する予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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