2013 Fiscal Year Research-status Report
心筋炎発症機序におけるテネイシンCの分子機能の解析
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25860581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田尻 和子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60633914)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | テネイシンC / 心筋炎 / TLR4 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
細胞-マトリックス相互作用のメディエーターとして機能する特別な細胞外マトリックス分子として,matricellular蛋白の存在が注目されている.テネイシンC(TN-C)は,典型的なmatricellular蛋白で、活動性炎症に伴って一過性に発現し,その発現レベルは心筋炎/心筋症の疾患活動性と相関を示すため、病態診断指標として用いることができるが,その詳細な分子機能は未だ明らかではない.今回は,マウス自己免疫性心筋炎モデルを用いてTN-Cによる炎症の制御メカニズムを明らかにすることを目的とした。マウス自己免疫性心筋炎において、心臓組織中のTN-Cは炎症細胞の浸潤に一致して発現し、炎症細胞の消退に伴って消失していた。次にTN-C 欠損(KO)マウスに心筋炎を誘導したところ、WTと比べて心筋炎が軽減した。特に、KO心筋炎マウスでは心筋に浸潤するTh17細胞の減少、制御性T細胞の増加を認め、ヘルパーT細胞の分化にTN-Cが影響を及ぼして心筋炎を抑制している可能性が示唆された。そこで次に、ヘルパーT細胞の分化に重要な樹状細胞へのTN-Cの作用を検討した。骨髄細胞より作成した樹状細胞にTN-Cを添加すると、Th17細胞への分化に必要なIL-6産生の増加を容量依存性に認め、ナイーブT細胞との共培養実験ではTh17細胞への分化を促進し、制御性T細胞への分化を阻害することが明らかとなった。またこれらの反応はTLR4シグナルを阻害することによりキャンセルされることより、TLR4シグナルを介したTNCのシグナルが樹状細胞からのIL-6産生を促していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験用マウスが順調に供給でき、実験を遅滞無く遂行する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の計画通りに遂行していく見込み
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Research Products
(3 results)