2014 Fiscal Year Annual Research Report
肥満による慢性炎症が急性心筋梗塞に与えるインパクト:病態解明から治療への応用
Project/Area Number |
25860590
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大辻 浩 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70581651)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 慢性炎症 / 肥満 / 臓器間連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満では、まず脂肪組織に慢性炎症が誘導されるが、次第に全身性の慢性炎症を誘起し、心臓、肝臓、骨格筋などの臓器にインスリン抵抗性や脂肪毒性といわれる機能障害をきたす。急性心筋梗塞では、心筋壊死による急性炎症が起こるが、背景に肥満による慢性炎症状態が存在した場合、炎症が相互に波及し、過剰な炎症が各臓器に惹起される可能性がある。炎症は心臓リモデリングや心筋修復過程に影響を与える重要な因子であるが、肥満状態での過剰な炎症が心筋梗塞後の病態に与える影響は明らかではない。本研究では、心筋梗塞モデルマウスを用い、高脂肪食負荷による肥満状態が①心筋梗塞後の病態に与える影響、②心筋梗塞後-臓器間を介在する炎症のメカニズムを明らかにし、③炎症調節による心筋梗塞への治療応用の可能性を探求する。 本研究計画では高脂肪食による肥満状態での心筋梗塞に対して、以下のテーマで研究を行う。 (1)肥満による慢性炎症が心筋梗塞の病態に与える影響の検討(2)心筋梗塞発症後-臓器間連関メカニズムの解明(3)治療応用とそのメカニズムの解明 本研究では野生型、遺伝子欠損マウスに対して肥満心筋梗塞モデルを用い、慢性炎症を背景とした心筋梗塞発症後の病態進展のメカニズムを明らかにし、治療への応用を検討した。高脂肪食負荷により肥満状態とし、心筋梗塞モデルを作成し、検討を行った。全身性遺伝子欠損マウスを用いた検討を行ったが、十分な予後改善効果は得らなかったが、臓器特異的に発現を調節することにより、予後を改善する可能性が示唆された。平成26年度においては高脂肪食負荷肥満心筋梗塞モデルに、アデノ随伴ウイルスを用いた臓器特異的な遺伝子ノックダウンを行り、予後、心筋梗塞後リモデリングの評価を行った。また、RNA・タンパク抽出用のサンプル、パラフィン切片用のサンプルを心筋梗塞後、4日、7日、14日、28日において採取した。
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Research Products
(1 results)