2013 Fiscal Year Research-status Report
分泌型ホスホリパーゼA2とその受容体を基盤とする心血管再生の機序解明と治療薬開発
Project/Area Number |
25860591
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
渡辺 一広 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (50535549)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PLA2受容体 / 心筋梗塞 / 血管新生 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
マウスにおけるPLA2受容体発現のスクリーニングにより、マウスの線維芽細胞にPLA2受容体が発現していることを確認した。 PLA2受容体KOマウスの心筋梗塞領域周辺部心筋内にPLA2受容体KOマウスの線維芽細胞を移植した場合とWTマウスの線維芽細胞を移植した場合とを比較したところ、WTマウスの線維芽細胞を移植した場合の方が心筋梗塞後の心破裂を防ぐ効果が高いという結果が得られた。これは、WTマウスの線維芽細胞の方がKOマウスの線維芽細胞よりも遊走能が高く、線維芽細胞に発現するPLA2受容体が線維芽細胞の心筋梗塞部位へ遊走を促進する作用があり、結果として心筋梗塞部位の線維化を早めるためと考えられた。 また、PLA2受容体の血管新生における役割を調べる為、PLA2受容体KOマウスとWTマウスを用いて、Matrigel Plug Assay、Aortic Ring Assayにおける血管新生の程度を比較した。この2つのモデルにおいて、KOとWTで血管新生の程度に差は認められなかった。この2つの実験系においてリガンドとなるsPLA2の存在が十分でなかったため、sPLA2-PLA2受容体システムの働きが検討できていなかったものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋梗塞後の回復過程におけるPLA2受容体の重要な役割を明らかにすることができた。血管新生に関しては、Matrigel Plug Assay、Aortic Ring AssayにおいてPLA2受容体KOおよびWTで差が無いという結果であったが、当初予定していた実験を遂行し、血管新生におけるsPLA2-PLA2受容体システムの役割を解明するための今後の課題を明確にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初より念頭に置いていたsPLA2-PLA2受容体システムの心血管病における働きを追及するためには、sPLA2およびPLA2Rが高発現している状況での解析を行う必要がある。PLA2受容体は線維芽細胞、ペリサイトに特異的に発現していることを確認している。また、PLA2受容体のリガンドとして作用するsPLA2の発現細胞も既に複数確認している。このsPLA2およびPLA2受容体が共に存在する病態下での血管新生について検討していく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Lack of Phospholipase A2 Receptor Increases Susceptibility to Cardiac Rupture After Myocardial Infarction2014
Author(s)
Hideto Mishina, Kazuhiro Watanabe, Shun Tamaru, Yosuke Watanabe, Daisuke Fujioka, Soichiro Takahashi, Koji Suzuki, Takamitsu Nakamura, Jun-ei Obata, Kenichi Kawabata, Yasunori Yokota, Osamu Inoue, Makoto Murakami, Kohji Hanasaki, Kiyotaka Kugiyama
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Journal Title
Circulation Research
Volume: 114
Pages: 493-504
DOI
Peer Reviewed