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2013 Fiscal Year Research-status Report

心筋梗塞後左室リモデリングにおけるInterleukin-33の役割解明

Research Project

Project/Area Number 25860620
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

安西 淳  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50528164)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords心筋梗塞後左室リモデリング / 炎症反応
Research Abstract

まず、MI後に組織中のIL-33の発現がどのような経過をとるのか、野生型(WT)マウスを用いて、MI発症後のmRNAレベルでの発現を測定したところ、梗塞後3日~7日目にかけて上昇が認められた。さらに、MI後、心臓のどの細胞がIL-33を発現しているかFACS で確認すると、IL-33 のほとんどがThy-1+ 線維芽細胞より発現していることが明らかとなった。一方、IL-33の受容体として知られるST2に関してその発現細胞をMI後時系列で確認すると、TnT+ 心筋細胞とともに、CD11b+ マクロファージでその発現が特にMI後3-7日目に増加していることを確認した。
MI後28日目における生存率をIL-33ノックアウト(KO)マウスとWTマウスで比較検討した結果、IL-33KO MI群ではコントロールであるWT MI群と比較して、生存率の有意な改善を認めた。また、その結果を反映するように、心エコーでの左室リモデリングが抑制されていることを確認した。連続切片を用いた組織学的な検討では、梗塞サイズは両群で有意差を認めなかった。一方、recombinant IL-33(rIL-33)をWTマウスに投与すると、MI作製後1週間以内に約80%(12/15匹)が心破裂で死亡し、生存したマウスでは顕著な左室リモデリングを認めた。また、MI後6日目の梗塞部の線維化をAzan染色で確認したところ、IL-33KO MI群では、WT MI群と比較して、境界部では密な線維が構成され、梗塞部では生存心筋が多く、心筋梗塞後の創傷治癒過程が促進している可能性が示唆された。さらにMI後6日目で検討すると、炎症性サイトカインやMMP-9, -2の発現が、IL-33KO MI群で有意に低下していた。梗塞後6日目において梗塞部から炎症細胞を抽出した後にFACSで解析したところ、IL-33KO MI群ではWT MI群と比較して、CD45+ F4/80+ CD206- 炎症性M1マクロファージの割合が少なく、逆にCD45+ F4/80+ CD206+ 抗炎症性M2マクロファージの割合が増加していた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで、IL-33KOマウスを用いた実験で、MI後に局所で増加するIL-33が心筋梗塞後左室リモデリングを増悪させている可能性が示唆されており、recombinant IL-33投与実験においてもその結果が裏付けられている。またFACSなどを用いて、心筋梗塞後のIL-33の発現様式、またIL-33の受容体であるST2の発現様式を確認しており、IL-33の標的細胞としてマクロファージが重要であると考えている。今後、その詳細なメカニズムや、in vitroでの実験を追加することで、よりデータを強固なものに出来ると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

1. rIL-33に対するマクロファージの反応性の検討(in vitro):in vivoでの実験結果をin vitroにおいても確認する。Naïveのマウスの骨髄細胞を10ng/ml M-CSFと共培養し、骨髄由来マクロファージを精製し、マクロファージのマーカーであるCD11bの発現をFACSで確認する。rIL-33を濃度を変えて加え、mRNAレベルでの、M1 マーカー(iNOS, TNF-, MMPs)、及びM2 マーカー(CD206, Ym-1, Arginase I)の発現を調べ、マクロファージの極性がどのように変化しているのかを確認する。また、炎症性サイトカイン、MMPs、collagen I, collagen III, CTGFなどの発現について、主にmRNA・proteinレベルで評価する。結果が上手くいかなければ、骨髄由来マクロファージの他に、腹腔内マクロファージ、マクロファージのcell lineなどを用いることも検討する。
2. 可溶型ST2(soluble ST2: sST2)の投与効果の検討;sST2はIL-33のdecoy receptorであり、IL-33の作用を阻害することが知られている(Nat Rev Immunol. 2011;7:321-9)。WTマウスにMI作製後、sST2を投与し、MI後の生存率、心機能、炎症応答、組織の線維化などが改善するかどうか確認する。もし仮説通り改善できるなら、今後の新規治療、創薬につながると考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品購入を節約したため。
全て消耗品購入に充てさせて頂く予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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