2014 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答シグナルであるeIF2αの心筋での作用および創薬標的分子の開発
Project/Area Number |
25860622
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西山 信大 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (40392500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 途絶心筋 / ミトコンドリア障害 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
αMHC-Fv2E-PERK Tg マウスに2日間AP20187を投与してeIF2αを活性化させると、一過性に心収縮は低下(心収縮率25%程度まで)するものの、10-14日目には正常の心機能に改善するモデルが作成できた。この現象は臨床的には途絶心筋と同様の経過を示した。途絶心筋を模倣したマウスモデルの作成に成功したため、以下の実験を行った。A)Capillary electrophoresis-mass spectrometry (CE-MS) を使ってメタボローム解析を行いヌクレオチド系、グルタチオン還元系、心筋エネルギー代謝経路の変化を観察した。B)Microarray法による網羅的な遺伝子解析を行い、eif2αの活性化に伴う発現遺伝子の変化を解析した。C)カルシウム動態の変化を検討する。ランゲンドルフ潅流モデルを用いて心筋を単離、カルシウムトランジエント測定等の細胞内カルシウム動態を検討した。D)電子顕微鏡等を用いて、心筋の形態、ミトコンドリアの形態、細胞内器官の形態を確認した。E)maicroarryによる網羅的な遺伝子解析を行い、eif2αの活性化に伴う発現遺伝子の変化を解析した。eif2αの活性化と心筋収縮不全をつなぐ因子としてのmiRNAなどの関与を検討した。
これらの結果から、途絶心筋では、心筋骨格は保たれているものの、カルシウムホメオスターシスの悪化、心収縮に必須のたんぱく質の発現の低下を認めた。
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