2014 Fiscal Year Research-status Report
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25860625
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
稲垣 夏子 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (10424368)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肥大型心筋症 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
該当するMVO合併HCM症例30例に対しインフォームドコンセントを得て、遺伝子解析用サンプリング採血および心電図、ホルター心電図、心エコー検査、心臓MRI検査、心臓カテーテル検査の各所見を登録した。 末梢血よりDNAを抽出後、既知の心筋関連原因遺伝子67種について イオン トレント PGM システムを用いてマルチプレックスPCR,アダプターを結合しライブラリーを作成し、シークエンス反応を行った。得られたリードデータはトレント スイートを用いて、ヒト対象配列にMapping 後、変異を抽出し、さらにCLC ゲノミック ワークベンチを用いて既存の国内外の複数の健常データベースとの対比による絞り込みアノテーション付けを行いその後、サンガー法によるシークエンスの確認。さらに変異データベースと対比し、複数のIn-silico 解析による機能変化予測を行い変異を同定した。変異の同定された症例に関しては、臨床病型との因果関係の解析並びに遺伝子の家系内解析を行った。 遺伝子解析の結果全体の35%に変異を同定。同定された変異のうち、すでにHCMの原因遺伝子として報告されている変異はサルコメア変異のミオシン結合タンパクCとライソゾーム変異のαガラクトシダーゼの2例のみであった。その他見出された6つの変異はすべて新規原因遺伝子上の変異でありデスモプラキン、プラコグロビン、TMEM43、インテグリンキナーゼ、PRDM16、ネブレットはいずれもHCMの原因遺伝子としての報告はなく、DCM,ARVC,LVNCの原因遺伝子での変異であった。 通常HCMに高頻度で認めるサルコメア変異はミオシン結合タンパクのみで全体の6%、HCMでは報告されたことがない他の表現系の心筋症原因遺伝子での新規変異を24%に認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心室中部閉塞型肥大型心筋症症例の遺伝子解析用サンプリング採血および各臨床所見の登録を行い、東京医科歯科大学難治疾患研究所において、心筋疾患関連原因遺伝子についての検索を進めている。現在30症例の登録、遺伝子解析を行い、変異の同定された症例に関しては、臨床病型との因果関係の解析並びに遺伝子の家系内解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプルサイズを40~50症例に設定し、臨床所見の登録並びに遺伝子解析を進めていく。変異の同定した症例に関しては引き続き家系内解析も行い、変異と臨床病型との疾患機序解明を進めていく。
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Causes of Carryover |
遺伝子解析方法の変更により試薬を含めた解析費用が削減されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
更に症例数を増やし、症例登録並びに遺伝子変異解析を進める。
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