2014 Fiscal Year Annual Research Report
心臓におけるBKCaの生理的意義の解明および治療応用の検討
Project/Area Number |
25860629
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
矢田 浩崇 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 講師 (60338051)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | BKCaチャネル / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
BKCaチャネルは細胞内Ca2+濃度上昇、膜電位、ガス分子(一酸化窒素:NO、一酸化炭素:CO)、活性酸素種(Reactive oxygen species:ROS)などにより開口する特殊なK+チャネルである。BKCaは主に脳や血管に存在し、心筋細胞膜におけるBKCa発現は少ないとされていた。近年の報告では、心筋ミトコンドリアにBKCaは発現しており(以下mito BKCa)、虚血再灌流障害モデルにおいてmito BKCaはミトコンドリア機能を調節し、心筋を保護することが報告された。Ca2+過負荷が関与する慢性心不全においてmito BKCaが冠血流維持や心筋代謝で果たしている役割は大きいと考えられるが、未だ詳細は解明されていない。本研究の目的は、BKCaの心不全における役割を解明し、BKCa活性化を介した新たな治療法を検討することである. 研究方法はWTマウスおよびBKCa KOマウスの解析を行う。血圧、血液・酸化ストレスマーカー、各種細胞膜イオンチャネル・mito BKCa評価、Caトランジエント測定、オーガンチャンバーによる血管評価、心エコーによる心機能評価、心電図、ランゲンドルフによる冠血流・左室圧評価などの評価を行う。マウスは不整脈が発生しづらい小動物であり、電気生理学的検査による不整脈誘発も施行する。心機能および不整脈誘発性に有意差がない場合は、左室高頻度ペーシングにより心不全を誘発し、細胞内Ca過負荷を起こしてから同様の解析を行い、BKCa KOマウスでの冠血流低下、心筋収縮低下、不整脈誘発の有無を評価する。
|