2013 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症の原因としての抗V型コラーゲン自己免疫および胃食道逆流症の関与
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25860636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩田 剛和 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30586681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / ピルフェニドン |
Research Abstract |
本年は初年度であったため、まず研究開始にあたり研究環境の調整と研究モデルの確立、さらに臨床研究にあたっての予備調査を行った。 研究環境の整備としては、まず動物実験計画を作成して施設倫理委員会の承認を得、動物の飼育室及び飼育環境を確保した。さらに計画では動物専用CTスキャンを利用した、肺の間質性肺炎影の検索が必要となるため、施設のCTスキャンの使用申請を行って許諾を得、また当該動物における至適撮影条件の確定を行う必要があった。これらの過程で飼育環境や装置の状況から、動物モデルは当初のラットよりもマウスの方が適していると判断し、これを変更して、実際の飼育とCTの撮影を行った。マウス肺のCT撮影については、まず通常個体においてその条件を確立した。 GERDモデルについてはそのモデルを作成中である。 臨床研究については今後の前向きデータ集積の準備を行いつつ、まず予備調査として後方視的な間質性肺炎合併肺癌手術症例の集積と検討を行った。今回の研究でその効果を判定する対象としている薬剤:ピルフェニドンの使用については、周術期症例での使用についての過去の英文文献報告がない状況であったため、まずこれをまとめた。ピルフェニドン使用症例と非使用症例での特発性肺線維症の状態についての血中マーカー値、病理組織学的所見の比較検討も行い、使用症例では特発性肺線維症の活動性に有意な低下を認めたと判断した。英文論文を作成し、現在投稿中である。本後ろ向き研究で集積した症例及びその検体は今回の主要テーマである抗コラーゲンV自己免疫にかかわる因子についても検討し、別途まとめる予定である。また同時に前向きの症例集積も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究環境の立ち上げとモデルの作成に手間取ってしまい、予定よりも実際の実験動物での検体・データ収集が進んでいない。ただし必要な装置や道具・実験環境は整えられたため、速やかに開始して遅れを取り戻したいと考えている。 また臨床研究については予定していた前向きの検体収集の前に、まず後ろ向きに蓄積されている検体およびデータのチェックを行うことで、今後の前向きデータ収集をより効率的に行うことを計画したが、その作業に手間取ってしまった。だがそれによりピルフェニドンの効果については一定の知見が得られ、また抗コラーゲンV自己免疫との関連を検討するための検体の確保も行えた。まず既得検体での検討を行って今後重点的に検討していくべき項目の方向性を固める材料とし、より確実で速やかなデータ収集を行うための準備としたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、準備段階ないし予備検討の段階で時間がかかってしまったためにデータ収集が遅れているが、特に技術的な問題や仮説の破綻を来すような状況が出現したわけではない。これから予定通りに実験計画を進めていくことで十分に遅れは取り戻せるものと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験環境整備・準備に予定より手間取ってしまい、実験・検体解析開始が遅れたために、購入予定であった試薬等消耗品を購入しなかった。このために支出額が予定より少なくなった。 実験・検体解析自体は計画に変更なく予定通り行う方針であり、研究全体としての必要見込み予算に変更はない。研究計画が遅れた分は翌年度に実行予定であり、また翌年度はペースを速めて予定の進捗状況に追いつく計画である。元の予定での本年度施行分研究と翌年度施行分研究を翌年度中に終わらせる計画なので、繰り越し分の予算は、この過程で予定通り消費される見込みである。
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