2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of auto-immune antibody for collagen type V with gastroesphageal reflux disease for the pathogenesis of idiopathic pulmonary fibrosis
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25860636
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
岩田 剛和 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 主任医長 (30586681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 逆流性食道炎 / GERD |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)は年々増加する予後不良の難治性疾患であり、その原因は不明で胃食道逆流症(GERD)による微量誤嚥の関与が疑われている。一方、IPFの肺線維化過程で増生する肺内extracellular matrix中のV型コラーゲン(colV)は、肺移植での知見から自己免疫抗原となることが示唆されている。本研究では「IPFはGERDが原因で発生した肺間質傷害の修復過程で露出したcol(V)に対し自己免疫が生じることで発症する」との仮定の下、疫学調査や動物GERDモデルでのIPF発症を明らかにし、col(V)に対する自己抗体の産生を明らかにして根治療法を開発することを目的とした。 ①疫学調査:当院で手術を施行した肺癌患者のデータではGERDの有病率は間質性肺炎を有さない肺癌患者では11例/1182例(0.9%)に対し、IPF合併肺癌患者では4例/82例(4.9%)であり、IPF合併肺癌患者ではGERDの有病率が4倍以上と有意に高い結果であった。(Fisher exact test p=0.013) ②検体を用いた検査:マウスを使用したGERDモデルでは消化管吻合には成功したが、結果的に2日以上の長期生存を得ることができなかった。ヒトIPF肺におけるcol(V), IL17Aの発現解析ではcontrolと比較し、有意差はなかったが、マイクロアレイ解析では、GERD合併IPF症例に特異的に発現上昇を認めたものとして、TNF signaling pathwayのサイトカインが抽出された。 (今後の展望)疫学調査ではIPF症例では有意にGERDの有病率が高く、網羅的解析にてGERD合併IPF症例では複数のサイトカインやケモカインの特異的上昇を認め、これらの遺伝子群がIPF発症に関連している可能性が示唆された。
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