2014 Fiscal Year Annual Research Report
EGFR変異肺癌のBIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性克服治療の開発
Project/Area Number |
25860640
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
竹内 伸司 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (90565384)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | EGFR変異肺がん / BIM / アポトーシス / HDAC阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、アポトーシス促進分子であるBIMをコードする遺伝子に特定の多型を有するEGFR変異肺がんはEGFR-TKIによるアポトーシスに抵抗性を示すことが明らかになった。このBIM遺伝子多型を有すると不活性型BIM が高率に発現し、活性型BIMの発現が低下してアポトーシス誘導能が減弱する。さらに臨床検体を用いた解析で、臨床的にも耐性因子として重要であることが示唆されている。本研究ではこのBIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性を克服することを目的として以下の成果を上げた。 1)日本人の肺腺癌症例から樹立された細胞株PC-3がBIM遺伝子多型をヘテロ接合型で有することを新たに見出し、EGFR-TKIによるアポトーシス誘導に抵抗性を示すことを明らかにした。 2)PC-3細胞を用いたin vitroの検討で、HDAC阻害薬であるvorinostatをEGFR-TKIであるgefitinibに併用すると、活性型BIMの発現が促進され、アポトーシスが誘導されることを明らかにした。 3)PC-3細胞を用いたマウス皮下移植モデルにおいて、gefitinib単剤の投与では腫瘍体積は減少せず、ボリノスタットを併用すると顕著な腫瘍縮小効果を認めた。腫瘍を採取してウエスタンブロット法、TUNEL染色法で検討したところ、vorinostat併用により活性型BIMの発現が上昇し、アポトーシスが誘導されていることが明らかになった。 以上の結果から、BIM遺伝子多型に起因するEGFR-TKI耐性をvorinostat併用で克服できる可能性が示唆された。得られた結果を基に、BIM遺伝子多型を有するEGFR変異肺がんを対象としたgefitinibとvorinostat併用の第Ⅰ相臨床試験を医師主導治験として実施している(ClinicalTrials.gov:NCT02151721)。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] In vivo imaging models of bone and brain metastases and pleural carcinomatosis with a novel human EML4-ALK lung cancer cell line.2015
Author(s)
Nanjo S, Nakagawa T, Takeuchi S, Kita K, Fukuda K, Nakada M, Uehara H, Nishihara H, Hara E, Uramoto H, Tanaka F, Yano S.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 106
Pages: 244-252
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Lack of association between the BIM deletion polymorphism and the risk of lung cancer with and without EGFR mutations.2015
Author(s)
Ebi H, Oze I, Nakagawa T, Ito H, Hosono S, Matsuda F, Takahashi M, Takeuchi S, Sakao Y, Hida T, Faber AC, Tanaka H, Yatabe Y, Mitsudomi T, Yano S, Matsuo K.
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Journal Title
J Thorac Oncol
Volume: 10
Pages: 59-66
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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