2013 Fiscal Year Research-status Report
腎糸球体上皮細胞におけるCD80発現の制御機構についての研究
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25860666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
島田 美智子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (40463765)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ポドサイト / ネフローゼ症候群 |
Research Abstract |
本研究の目的は、微小変化型ネフローゼ症候群における尿蛋白の発症機序を解明することである。CD80は本来、抗原提示細胞に発現する、Tリンパ球刺激の副経路を担う因子であるが、CD80の腎糸球体上皮細胞(ポドサイト)における発現増強が微小変化型ネフローゼ症候群本疾患における尿蛋白と関連することが報告されている。これまでの研究結果より、ネフローゼ患者においてはCD80の発現の収束にかかわる因子に障害があるのではないかと推察され、この仮説によって本研究を進めてきた。CD80の発現をコントロールする因子としては、CTLA-4やIL-10 などの抑制性サイトカインが報告されているが、これらは主に免疫細胞における報告であり、ポドサイトにおける制御については分かっていない点も多い。 そこで、ポドサイトにおいて、CD80の発現を誘導するためにTLR3のリガンドであるpolyICを培養液中に添加し、ポドサイトにおける抑制性サイトカインの発現を検討した。その結果、polyICの添加によって、IL-10の発現が誘導されることが示された。一方で、CTLA-4の発現は、発現レベルが非常に低いことから、安定して定量することが困難であった。今後、IL-10 やその他の抑制性サイトカインの発現をsiRNAによって抑制する実験を行い、podocyteにおいてCD80の発現がどのように制御されるか、さらなる検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載されたH25年度の研究計画が概ね実行され、一部、興味深い結果が出ているため上記区分(2)に該当すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って実験を進めていく。ポドサイトにおいて、感染に続発してみられるCD80の発現がどのように制御されるのか、さらなる解明をめざす。
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