2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860677
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井口 卓 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30644504)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞間クロストーク / AKI to CKD |
Outline of Annual Research Achievements |
研究テーマ1において,定常状態では線維芽細胞からのクロストークを遮断するだけで,近位尿細管細胞の障害および細胞増殖が亢進すること,一方腎障害時においては, 近位尿細管細胞の増殖が抑制され,腎障害がより悪化することを前年度までに確認していた.加えて,GeneChip解析の結果からクロストーク遮断により減弱したシグナルパスウェイを複数個見出していた.本年度はこれら候補因子の中から,ある因子Xに注目し解析を進めた.その結果,外因性に因子Xを補充し,そのシグナルを増強することで腎障害が軽減すること,腎障害時には因子X合成の場が近位尿細管細胞から線維芽細胞にスイッチすることを見出した. 研究テーマ2において,ジフテリア毒素およびその受容体発現量を調節し,様々な条件(割合,頻度,強度,期間)で近位尿細管上皮細胞障害を惹起する方法を確立した.この方法を用いて得られた「軽微かつ単発性の尿細管障害とそれに伴う線維化は回復可能である」あるいは「軽微でも連続的に起こる尿細管障害は広範な間質の線維化を引き起こす」という現象は,臨床現場でも注目を集めているAKIの重篤度/頻度がCKD進展の予後規定因子になり得るという知見に合致する.ひいてはヒトへの外挿性の高いモデル動物がない腎臓病領域において,AKI to CKDを評価できる優れたモデル動物になり得る. これら進捗に伴いテーマ1は論文投稿準備中,テーマ2はJASN誌に「Severity and Frequency of Proximal Tubule Injury Determines Renal Prognosis」の表題で論文掲載された.加えて,アメリカ腎臓学会にて研究成果を報告した.
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[Journal Article] Severity and Frequency of Proximal Tubule Injury Determines Renal Prognosis2016
Author(s)
Takaori K, Nakamura J, Yamamoto S, Nakata H, Sato Y, Takase M, Nameta M, Yamamoto T, Economides AN, Kohno K, Haga H, Sharma K, Yanagita M.
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Journal Title
Journal of American Society of Nephrology
Volume: 未
Pages: 未
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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