2014 Fiscal Year Annual Research Report
各種腎臓疾患における無血清培地を用いた間葉系幹細胞の治療効果:臨床応用を目指して
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25860681
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 敏憲 広島大学, 大学病院, 医科診療医 (50646891)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、無血清培地で培養した間葉系幹細胞(MSC)が、通常のウシ胎児血清添加培地で培養したMSCと比較して、抗線維化・抗炎症作用が増強していると考え、ラットにおけるその効果を検討している。ラットの骨髄からMSCを採取し、ラットの左水腎症モデルをDay0に作製後、Day4に①経尾静脈的にD-PBSのみ投与する群(コントロール)、②ウシ胎児血清添加培地で培養したMSCを投与する群、③無血清培地で培養したMSCを投与する群の3群に分け評価した。 まず、GFPトランスジェニックラットから採取したMSCを上記の様に培養・投与した所、投与翌日のDay5には肺や腎にGFP陽性細胞を認め、Day7まで認められるも、Day10には確認できなくなっていた。また、ウシ胎児血清添加培地培養MSCと無血清培地培養MSCで、生着期間に有意な差は認められなかった。 Day10に屠殺後、α-SMAやTGF-β1といった線維化マーカーの蛋白発現量やmRNAレベルは、コントロール群と比して、MSC投与群で有意に低下し、さらに無血清培地培養MSCを投与した群でより有意に低下した。炎症マーカーでは、MCP-1やIL-6のmRNAレベルが、コントロール群と比較してMSC投与群で有意に低下しており、その中でも無血清培地培養MSCを投与した群で有意に低下していた。ED-1やCD3については免疫染色で評価し、同様に無血清培地培養MSC投与群で有意に発現が最も低下していた。 一方で、ヒト近位尿細管上皮由来細胞(HK-2)に対して、ウシ血清含有培地MSC、無血清培地培養MSCを用いて作製したMSC馴化培地に培地を変更後、TGF-β1刺激を行った。48時間後に線維化マーカーであるα-SMAは、コントロール(培地変更なし)と比較して馴化培地群で有意に低下しており、無血清培地培養MSCによる馴化培地群でより有意に低下していた。
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