2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病における腸管内環境の変化とその病態に及ぼす影響
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25860688
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉藤 歩 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70573286)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 尿毒性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、腸内細菌が肥満、炎症性腸疾患、自閉症など様々な病気と密接な関係があることが報告されている。慢性腎不全でもラクトバチラスが低下していることが報告されている。我々は当初、球形吸着炭(商品名:クレメジン)を投与することで腸管内の環境改善効果をみとめるかおよびその腸管内環境の変化が、慢性腎不全に進行抑制効果につながるのかついて動物実験をおこなった。この実験では慢性腎不全ではラクトバチラスが低下し、薬剤投与により再度上昇すること、全身炎症改善および腸管の環境の改善がみられるという結果が得られた。そこで、慢性腎不全モデルにラクトバチルスを投与することで、腸管内環境を改善させるか、また、慢性腎不全の進行を遅らせることが出来るかについて検討した。また、腸内細菌を複数の抗生物質で低下させた条件下でラクトバチルスを投与した時にさらに慢性腎不全進行抑制効果があるかについても実験を行った。いずれの実験においても全身の炎症性マーカーや腎臓の組織、腎機能について一部改善を認める結果を得ている。また、腸管内の環境についても便中の尿毒性物質の量や腸管の蛋白の発現について検討を行ったところ、ラクトバチルスには腸管環境を改善させる可能性があることが示唆されている。腸管内のラクトバチルス増加させることが、慢性腎不全の治療戦略となる可能性がある。今後、腸管と腎臓との関連性をつないでいるものは何かということについて研究をすすめ、治療への応用につき検討を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸内細菌と慢性腎不全の関係につき、一定の結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は国際学会での報告、論文作成、アクセプトを目指す。
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