2015 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧・妊娠蛋白尿の出産5年後慢性腎臓病発症の評価
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25860696
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
三戸 麻子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (20468474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / 慢性腎臓病 / 妊娠高血圧腎症 / 妊娠蛋白尿 / 妊娠高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】妊娠高血圧腎症(preeclampsia: PE)、妊娠高血圧(gestational hypertension: GH)は将来の末期腎不全のハイリスクだが、出産5年後という比較的早期の腎機能に関する報告は少ない。また、妊娠蛋白尿(gestational proteinuria: GP)の出産後腎機能に関する報告はない。【目的】PE、GH、GPの出産5年後腎機能を検討する。【方法】当院出生コホート研究での出産5年後健診を継続し、推定糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate : eGFR)を正常血圧妊娠群(対象群n=284)と比較検討した。PIHの診療指針2015に準じ、疾患群を定義した。【結果】出産5年後の平均eGFR(ml/min/1.73m2)はPE群(n= 24)、GH群(n= 39)、GP群(n=52)、対照群(n= 284)で各々87.4±14.5、88.4±13.9、90.1±14.8、94.4±14.5であり、対象群と比較してPE、GH、GP群では低い値であった。eGFR100未満を慢性腎臓病(Chronic kidney disease: CKD)ありとした場合、妊娠中にPEを発症することは出産5年後にCKDであるオッズ(以下妊娠前BMIで調整)が5.2倍 (以下95%信頼区:1.5~32.9 )であった。eGFR90未満をCKDありとした場合、GHは出産5年後にCKDであるオッズが2.2倍 (1.1~4.9 )、eGFR80未満をCKDありとした場合、GPは出産5年後にCKDであるオッズが2.3倍 (1.1~4.7 )であった。【考察】PE、GH、GPは出産5年後の段階で腎機能が低下していることが示唆されたが、より詳細な結果を得るためには更なる症例の集積が必要と考えられる。
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