2014 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析を用いた慢性炎症性脱髄性多発神経炎の新規標的抗原の網羅的解析
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25860699
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
別府 美奈子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70623669)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は、慢性進行性または再発性の経過を特徴とする末梢神経疾患であり、液性免疫の関与が考えられている。臨床症状・検査所見・経過が多様な症候群であり、病型ごとに分けた研究が重要である。本研究では、CIDPを病型別に分類し、プロテオーム解析を用いCIDPの自己抗体の標的抗原を探索した。 【方法】1)電気泳動を用いた手法:ブタの馬尾から抽出した蛋白質を二次元電気泳動で展開し、患者血清を1次抗体としたウェスタンブロットを行い、自己抗体が認識する蛋白質を探索した。得られた候補蛋白質は、合成蛋白質を用いたウェスタンブロットにより多検体での検証を行った。2)免疫沈降をもちいた手法:培養細胞そのものに血清を反応させてから、抗体ビーズを用いて免疫沈降法を行い、患者血清IgGと反応して得られた抗原蛋白質をショットガン解析した。 【結果】1)電気泳動を用いた手法では、CIDP患者血清7例を使った探索を行い、4つ蛋白質を同定した。そのうちplasma membraneに局在がある蛋白質Xを抗原候補蛋白質とした。これに対する抗体の存在を多検体で検証するため、合成蛋白質とCIDP患者血清31例を用いたウェスタンブロットを行い、CIDP患者31例(typical CIDP 22例、MADSAM 9例)のうち、typical CIDPの2例で、この蛋白質に対する強い反応がみられた。 2)免疫沈降を用いた手法を、CIDP 患者血清3症例で行い、血清中抗体と反応する蛋白質を950個(うち膜蛋白質 120個)同定した。 【まとめ】上述の2つの手法によりCIDPの抗原候補蛋白質を複数同定できた。
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Research Products
(2 results)