2014 Fiscal Year Annual Research Report
ALS 罹患組織における GEM小体減少機序の検討
Project/Area Number |
25860703
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石原 智彦 新潟大学, 脳研究所, 助教 (70612232)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ALS / TDP-43 / U snRNAs / GEM / SMN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は筋萎縮性側索硬化症の病態機序解明を目的とする.我々はALS罹患組織におけるRNA代謝の異常に注目し,既にALS罹患組織において,mRNAのスプライシングに関与する U snRNAsが低下すること,および U snRNAsの成熟に重要なGEM小体が減少することを見出している.本研究の目的はGEM小体減少の具体的機序およびsnRNAの低下による罹患組織でのmRNA代謝異常を明らかにすることである. 本研究では培養細胞およびALS罹患組織においてGEM小体関連蛋白の定量を行った.siRNA法によるTDP-43発現抑制培養細胞にて,逆転写定量PCR法にてmRNAの測定を,ウェスタンブロット法にて蛋白質の定量を行った.その結果,複数種類のsiRNAプローブによるTDP-43発現抑制細胞にて,GEM小体の主要構成蛋白質であるSMNのmRNAおよび蛋白質の低下を認めた.しかしALS罹患組織ではSMN mRNAの低下は認めなかった.ALS罹患組織におけるGEM小体数の低下は,SMN蛋白質の直接的な低下のみでは説明が困難である.これに関しては我々は核内でのGEM小体の形成,安定化にTDP-43蛋白質が寄与する可能性を考えている. またTDP-43 発現低下培養細胞およびALS 罹患組織におけるスプライシング異常の検討を行った.特にALS罹患組織で低下のみられる,minor spliceosome に属する U snRNA 依存性のsplicing異常に注目をし,逆転写PCRにて解析を行った.その結果,IPO-4,IFT80など複数のmRNAでのsplicing異常を認めた.これらの単独,あるいは複数のスプライシング異常がALSの原因となりうるのかについては確定的でない.この点を明らかにするために,運動神経選択的なmRNA発現解析やモデル動物の作成などが,今後の課題として挙げられる.
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Research Products
(4 results)