2013 Fiscal Year Research-status Report
プリオン病においてNMDA型グルタミン酸受容体抗体が病態に果たす役割の解明
Project/Area Number |
25860715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤田 浩司 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80601765)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プリオン病 |
Research Abstract |
本研究では、プリオン病においてN-methyl-D-aspartate(NMDA)型グルタミン酸受容体の機能障害が生じ、その病態に自己抗体が関連するとの仮説を検証する。既に報告した抗NMDA型グルタミン酸受容体自己抗体に関連して、(1) ペプチド・アレイを用いて抗体のエピトープを同定し、(2) 中枢神経系において抗体産生に関わる細胞等を神経病理学的に検索し、(3) 抗体を含む検体と培養細胞を用いてグルタミン酸受容体の機能・発現の変化を解析する。それにより、プリオン病における神経障害機序の一端を解明し、診断・治療に寄与することを目指す。それに関連して、プリオン病の中枢神経系における炎症機序を探索するため、患者髄液のサイトカインを網羅的に解析した。方法としては、プリオン病、非炎症性神経疾患、自己免疫性脳炎の患者髄液中に含まれるサイトカインの量をマルチプレックス法で測定し疾患の間で比較した。次に、サイトカイン定量値と種々の臨床的パラメータの相関を解析した。主要な結果としては、インターロイキン17(IL-17)がプリオン病および自己免疫性脳炎の髄液で有意に上昇していた。IL-17は、多発性硬化症などの炎症性・自己免疫性神経免疫疾患において重要な役割を果たす炎症性サイトカインとして知られる。プリオン病では、髄液採取までの罹病期間が短いほどIL-17値が高い傾向を示し、Il-17上昇は病態の比較的初期に生じている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ペプチド・アレイを用いた抗体のエピトープ同定が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体のエピトープが同定できれば、主要な抗原ペプチドを用いて抗体吸収試験を行う。培養細胞実験において、患者IgGと抗原ペプチドを反応させる前後で受容体機能に影響を与えるかを評価し、エピトープの機能的意義を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月の納品となり支払いが完了していないため、次年度使用額が生じた。 平成26年4月支払い完了予定である。
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Research Products
(4 results)