2014 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴシン-1-リン酸による新規インスリン抵抗性改善機序の解明
Project/Area Number |
25860740
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵野 信 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60621745)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / アポ蛋白M / 糖代謝 / LDL受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ApoMの発現抑制による糖代謝の変化については、shApoMがうまく働かなかったため、in vivo siRNAの手法を用いて検討した。 食餌誘導肥満マウスにsiApoMあるいはcontrol siRNAを投与し、4日後インスリン負荷テストを施行し、5日後、マウスをサクリファイスして検討した。その結果、siApoM群では、血漿、肝臓S1Pを40%程度、ApoMを50%程度抑制することができた。 空腹時の血糖は変わらなかったが、自由摂食下の血糖の上昇がみられた。一方、インスリン値に関しては有意な差は認められなかった。インスリン負荷テストでは、siApoM群にてインスリンによる血糖低下の減弱が認められた。また、肝臓のAkt, AmpKのリン酸化の減弱がみられたが、骨格筋、脂肪組織には変化がみられなかった。 (2)STZマウスにApoMをコードするアデノウイルスあるいはコントロールアデノウイルスを投与させたが、有意な血糖の低下、インスリン分泌能の改善などは認められなかった。 (3)HepG2細胞と標的組織の細胞株の共培養系は、HepG2細胞にアデノウイルスを用いてApoMを過剰発現させると、共培養先の細胞にもウイルスが感染することがわかったため、当初の計画通り進まなかった。 (4)当初予定していなかったが、「様々な糖尿病マウスモデルを用いたスフィンゴシン1-リン酸の糖代謝に対する影響の解析」をヒントに、LDL受容体がApoM、S1Pの血中からのクリアランスに重要な働きをしていることを発見した。
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Research Products
(6 results)