2013 Fiscal Year Research-status Report
インスリン抵抗性の制御におけるフラクタルカインと受容体の役割
Project/Area Number |
25860745
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永島田 まゆみ 金沢大学, 脳・肝インターフェースメディシン研究センター, 博士研究員 (30645510)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 慢性炎症 / ケモカイン / fractalkine / CX3CR1 / マクロファージ / 肥満 / 脂肪組織 |
Research Abstract |
ケモカインは骨髄から代謝臓器(脂肪組織、肝臓等)へ単球・マクロファージ等の炎症細胞を浸潤・集積させる重要な役割を果たし、肥満による炎症の誘導と維持に関係している。肥満に伴い、発現が変化するケモカインとその受容体に着目し、糖脂質代謝調節への関与を検証している。 ケモカインfractalkineとその受容体CX3CR1は、炎症細胞で発現し、慢性炎症疾患の発症に深く関与することが知られている。しかし、これらの脂肪組織における局在、肥満による炎症やインスリン抵抗性との関連については不明である。高脂肪食投与で肥満を誘導したマウスの脂肪組織におけるfractalkineとCX3CR1の発現は、マクロファージやTリンパ球で認められた。さらに、脂肪組織中のfractalkineは、肥満に伴い、発現が持続的に低下することを見いだした。そこで、肥満の進展に伴うCX3CR1シグナルの減弱が、慢性炎症および全身のインスリン抵抗性に与えるインパクトを検証するため、肥満のCX3CR1欠損マウスの代謝表現型解析を行った。CX3CR1 欠損マウスは、対照マウスに比し、脂肪組織に浸潤する炎症細胞の増加、インスリン抵抗性の亢進および糖脂質代謝異常を認めた。 以上の結果から、肥満によるCX3CR1シグナルの減少は炎症の誘導やインスリン抵抗性の形成に重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪組織のwhole mountによる蛍光免疫組織染色法の確立により、脂肪組織中のケモカインとその受容体の局在を解析することが可能となった。 CX3CR1欠損モデルマウスの作製および解析が滞りなく進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
糖・脂質代謝調節におけるfractalkine-CX3CR1系シグナルの生理学的意義を明らかにするために、1. 肥満状態の炎症細胞の動態制御に対する役割を解析し、2. シグナル増強による炎症やインスリン感受性に与える影響について検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は少額であり、研究に必要な物品の購入額に達しなかったため。 研究を遂行するために必要な物品の購入に使用する。
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