2014 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞における第2相インスリン分泌制御機構の解明
Project/Area Number |
25860756
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
青柳 共太 杏林大学, 医学部, 助教 (50453527)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 膵β細胞 / インスリン分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵β細胞をグルコースで刺激すると刺激直後に観察される一過性で急峻な第1相インスリン分泌とそれに続く持続的な第2相インスリン分泌が観察される。このうち第2相分泌の分子機構はほとんど解明されていない。昨年度に行った研究の結果、小胞膜に局在するVAMP7が第2相インスリン分泌に関与する可能性が示唆されたため、本年度は膵β細胞からのインスリン分泌におけるVAMP7の役割の解明を目的として研究を行った。膵β細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するRIP-CreマウスとVAMP7 floxマウスを交配し、膵β細胞特異的VAMP7遺伝子欠失(VAMP7 βKO)マウスを作出した。VAMP7 βKO膵島をグルコース溶液で灌流刺激し、経時的なインスリン分泌の評価を行った。野生型膵島と比べVAMP7 βKO膵島からのインスリン分泌は第1相分泌には変化が認められなかったが、第2相分泌は有意に減少することを見いだした。次に、各種細胞内小器官マーカータンパクに対する抗体を用いた免疫染色法と、ショ糖密度勾配を用いた超遠心分画法を用いて細胞内におけるVAMP7の局在について検討を行った。その結果、VAMP7はインスリン顆粒には局在しないことが明らかとなった。さらにVAMP7 βKO膵島を用いた電子顕微鏡解析を行った結果、VAMP7 βKO膵β細胞では野生型膵β細胞に比べてインスリン顆粒の形態および細胞内分布に有意な差は認められないことを明らかにした。これらの結果から、VAMP7はインスリン顆粒以外の小胞膜に存在し、第2相インスリン分泌を選択的に制御していると結論した。
|
Research Products
(3 results)