2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ(A)鎖分解酵素CCR4-NOT複合体によるmRNA分解を介した肥満症制御
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25860761
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
高橋 明格 沖縄科学技術大学院大学, 細胞シグナルユニット, 研究員 (90637589)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肥満 / mRNA分解 / CCR4-NOT複合体 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は糖尿病・高血圧・高脂肪血症・心疾患等の多くの生活習慣病の危険因子であり、詳細なメカニズムの解明が新規治療法の創成に必須である。申請者はmRNA 分解を担う真核生物の主要なpoly(A) 鎖分解酵素 CCR4-NOT 複合体の酵素活性サブユニット CNOT8 の肝臓特異的欠損マウスモデルを用いて、肥満発症の新規分子機序の解明を目指している。平成25年度までに、CNOT8欠損が誘導するEgfrの発現上昇が肥満発症に寄与するデータを得た。そこで、平成26年度は、CNOT8によるEgfrの発現制御メカニズムの解明を目指した。CNOT8はpoly(A)鎖を短縮する酵素活性を有するが、Egfr mRNAのpoly(A)鎖長はwild-typeと変化は見られなかった。また、CNOT8はEgfr mRNAの転写レベルにも影響を与えなかったことから、CNOT8は脱アデニル化非依存的にmRNAの転写後調節を制御することが示唆された。一方で、CNOT8が肝臓における翻訳に与える影響をポリソーム解析により調べたところ、CNOT8欠損において、一部のmRNAのポリソームフラクションの顕著な減少が見られた。このことから、CNOT8は翻訳状態の維持に重要であることが示唆される。今後は、CNOT8によるEgfr mRNA発現量の転写後調節メカニズムをデキャッピング等の影響を調べることにより、poly(A)長の影響を受けないmRNA分解機構の解明を目指す。また、CNOT8が翻訳を制御するmRNAをリボソームプロファイリング等により調べ、CNOT8による翻訳制御の肥満発症への寄与を明らかにする。
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