2014 Fiscal Year Annual Research Report
卵胞細胞マイクロシグナル連関による卵巣機能不全の解明と臨床への応用
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25860769
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三好 智子 岡山大学, 医療教育統合開発センター, 助教 (40444674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨形成たんぱく / 卵巣機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
「卵胞成長に強く関与するFSH受容体を調節するメカニズム」を解明する:oocyte-somatic communicationによるアプローチ
今年度は、卵胞内のautocrineだけでなく、下垂体からのparacrineであるFSH刺激を踏まえ、FSH受容体(FSH-R)の調節機構について検討し、卵胞内の細胞間コミュニケーションの内分泌機構の変化に迫った。FSH-RはG-protein coupled receptor (GPCR)であり、GPCR kinase (GRK) によるGPCR脱感作が主な調節機構となっている。BMP-15にはFSH-R発現抑制作用も報告されており、卵母細胞-顆粒膜細胞間ネットワーク間でのFSH-Rへの影響を検討した。まず、(A)in vitroでの卵巣顆粒膜細胞でのGRKの存在について、RT-PCRを用い確認した。さらに(B)ラット顆粒膜細胞においてエストロゲン(E2)と卵母細胞存在下では、FSHによるcAMP産生増加と同様にアロマターゼやFSH受容体の発現も増強したが、adenylate cyclase 刺激因子のforskolinではこのFSHの効果と同様の効果を呈さなかった。つまり、adenylate cyclaseより上流で卵母細胞因子が顆粒膜細胞に影響を与えていることが示唆された。そこで、(C)内因性GRKの働きを探るためsi-RNAを転写導入し、細胞内シグナル伝達やステロイド産生能力について検討した。GRK6の発現を抑制するとラット顆粒膜細胞におけるFSHによるアロマターゼの発現が増加した。このことより、内因性のGRK6はFSHによるアロマターゼの発現を抑制していることが示唆された。ラット卵巣では、Estrogenは卵母細胞のER下流にある何らかの卵母細胞因子を介して、 顆粒膜細胞のGRK発現を抑制し、FSHRの脱感作機転を抑制し、FSHRシグナルを増強・維持する可能性が示唆された。
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