2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞における転写因子GATA-2の機能解析
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25860776
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沖津 庸子 東北大学, 大学病院, 助教 (80451558)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GATA-2 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生不良性貧血は汎血球減少を呈する骨髄不全症の代表疾患であり、造血細胞の減少と脂肪髄という特徴的な骨髄所見を呈する。これまで再生不良性貧血の発症機序として、造血幹細胞の減少が考えられてきたが、正常造血には造血細胞を支持する造血微小環境が必須であり、再生不良性貧血における脂肪髄化もその発症において重要な造血環境の変化と考えられる。 転写因子GATA-2は、主に造血幹細胞に発現し、その機能に必須の転写因子と考えられている。申請者らを含めた複数のグループから再生不良性貧血症例の造血幹細胞において、GATA-2の発現量が低下していることが報告されており、病態への関与が示唆されている。一方、造血微小環境は、骨芽細胞や血管内皮細胞、脂肪細胞などのストローマ細胞で構成されるが、それらは共通の前駆細胞である間葉系幹細胞が分化して形成される。 これまでにヒトGATA-2の発現低下が間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を誘導しうること、また造血幹細胞の支持能を低下させうることをin vitroの検討により見出した(Kamata and Okitsu et al. Haematologica. 2014;99:1686-1696)。現在、in vivoの間葉系幹細胞におけるGATA-2の造血微小環境の機能に及ぼしうる影響について明らかにする目的で、Cre-loxPを用いたコンディショナルノックアウトマウスの作製を進めている。
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