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2013 Fiscal Year Research-status Report

多発性骨髄腫における腫瘍細胞自身のVE-cadherin発現と病態機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25860780
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

入内島 裕乃  群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10621576)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
KeywordsVE-cadherin / 多発性骨髄腫
Research Abstract

申請者はこれまでに、ヒト化マウスモデルを用いた多発性骨髄腫(MM)の系で、腫瘍細胞の中にVE-cadherinを発現する亜集団の存在を見出し、それが血管内皮様構造を呈することや治療抵抗性であることを示した。本研究でわれわれは臨床検体のMM細胞においてVE-cadherinの発現の有無を明らかにし、その発現機構を解明するとともに腫瘍進展、および治療抵抗性との関連性について検討を行った。
まず、MM患者の骨髄液を用いてMM細胞におけるVE- cadherinの発現をフローサイトメトリーで解析を行ったところ、大多数において有意な発現は認められなかった。しかし、一部の治療抵抗性MM患者において少数ではあるがVE- cadherin陽性の亜集団が存在することがわかった。そこで、治療抵抗性MM患者の骨髄生検サンプルを用いて免疫組織染色法を用いてVE- cadherinの発現有無を検討したが明らかな発現は認められず、同様に髄外腫瘤についても検討したが有意な結果は得られなかった。申請者はヒト化マウスモデルでVE-cadherin陽性骨髄腫細胞では陰性分画に比べて低酸素状態にあり、低酸素誘導性転写因子ファミリーであるhypoxia-inducible factor-2a蛋白の発現も高いことを明らかにした。そこで、VE-cadherin発現メカニズムの一因として低酸素状態が関与しているかを明らかにするために、ヒトMM細胞株を用いて低酸素培養を行いフローサイトメトリーでVE- cadherin発現を検討したが、有意な発現亢進は認められなかった。
これらの結果を併せると、臨床検体のMM細胞自身におけるVE- cadherin発現の可能性は低いと考えられる。その原因として、ヒトとマウスという骨髄微小環境の違いがMM細胞との相互関係に差を生み出したと推定される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

期待通りの結果は得られなかったが、当初の計画通り、初年度にはMM腫瘍細胞におけるVE-cadherinの発現をフローサイトメトリーや免疫組織染色法により明らかにする目的は達成できた。また、発症時と再発時、治療抵抗期のMM患者におけるVE-cadherinの発現の比較も行えた。以上より、初年度としての研究計画はおおむね達成できたと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

当初の目的であった、MM腫瘍細胞自身におけるVE-cadherin発現と病態生理の解明は現時点で直接の関連性を見出すことは困難と考えられるが、MMの腫瘍進展の病態に血管新生が深く関わっていることは周知の事実であり、そこには多様な分子が複雑に関与していることが報告されている。そこでわれわれは、血管新生関連分子の一つと報告されているIL-8に関与が示されているCD28に着目した。CD28は一般的にT細胞表面の補助受容体でT細胞活性化に寄与している。一方で、形質細胞にも発現しており腫瘍増殖、腫瘍生存に関わっていると言われているがそのメカニズムは明らかにされていない。
今後、MM細胞株におけるCD28発現の差と細胞遺伝学的背景、またMM患者の臨床経過とCD28発現の関連性を明らかにしながら、MMにおけるCD28の発現メカニズムと腫瘍増殖や治療抵抗性に関するCD28の果たす役割について検討を行っていく予定である。これは、将来的にCD28が治療のターゲットにつながる可能性も十分にあり、非常に有益な研究であると考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

初年度のみでは、本研究を完遂することは不可能であり、次年度も引き続き研究を行っていく必要があるため。
各種抗体、プライマー、試薬等の消耗品が主であり、また学会等への参加するための旅費にも使用する予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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