2013 Fiscal Year Research-status Report
レナリドミドと細胞障害性CSF1R抗体を併用した白血病幹細胞根絶療法の開発
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25860790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松岡 亮仁 香川大学, 医学部附属病院, その他 (70649277)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | AML幹細胞 / MDS92D / lenalidomide / CSF1R / サポリン |
Research Abstract |
AML幹細胞株MDS92D、MDS-Lに対して100nM lenalidomideを添加したところ、アポトーシスの増加とともに、12時間以内のCSF1RのmRNA発現亢進と、24時間以内の細胞表面への発現亢進が認められた。一方、同じくAML幹細胞で、コントロールとして用いたKG1aでは、同様の現象は認められなかった。フローサイトメトリー(FACS)を用いた細胞分化解析では、CD34およびHLA-DRの発現が減少し、軽度単球系細胞への分化傾向を認めたことから、単球への分化傾向を呈しながら細胞死誘導する機序が推定された。しかしlenalidomide添加後4日目(細胞表面CSF1R発現がピークとなる時期)の時点において、M-CSFを添加しても細胞増殖への影響は認められず、受容体のリン酸化も認められなかったため、シグナル伝達解析は中止した。次にFACSにて、MDS-L、MDS92Dの両細胞において、M-CSF添加後に細胞表面のCSF1Rが細胞内へ内在化することが分かったため、サポリン結合抗CSF1R抗体とlenalidomideの併用療法を行ったところ、lenalidomide単独、およびサポリン結合抗CSF1R抗体単独と比較して、併用療法群においてより強い細胞毒性が認められた。以上より、我々はlenalidomideがMDS92D、およびMDS-Lの細胞表面CSF1Rの発現を亢進させることと、lenalidomideとサポリン結合抗CSF1R抗体との併用療法の可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
lenalidomideの作用としては、おおむね予想通りであった。シグナル伝達解析については、予想に反して、受容体のリン酸化と、M-CSF刺激による反応性がなかったことからその施行に意味を見いだせなかったため、先送りとした。しかしサポリン結合抗CSF1R抗体とlenalidomide併用療法の結果が得られたことで、lenalidomide療法に対する一定の結果が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、これまでの結果(in-vitro lenalidomideのCSF1R発現誘導作用と抗CSF1R抗体併用療法)について、論文化を進めている。今後はヒトAML幹細胞に対する同様の効果について解析予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シグナル伝達に関わると予想されていた費用が不要となったこと、予想よりも少ない費用で賄われたことが主な理由。 サポリン結合CSF1R抗体と、フローサイトメトリーに関わる抗体関連を中心に拠出する。
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