2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトLAG3陽性制御性T細胞の制御性活性と抗体産生抑制能の解析
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25860804
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
住友 秀次 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20392996)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 制御性T細胞 / 自己免疫疾患 / IL-10 / LAG3 / 抗体産生抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室(以下当研究室)では、マウス新規制御性T細胞(Treg)としてLAG3+Tregを同定した。LAG3+Tregは転写因子Egr-2で規定され、炎症性腸疾患やループス腎炎のモデルで治療効果を発揮する。 我々は、ヒト扁桃の解析からLAG3+Tregがヒトでも存在することを明らかにした。またマイクロアレイ解析から、LAG3+Tregは扁桃腺中の新規細胞集団であることが示唆された。ヒトLAG3+Tregは、IL-10を高産生し、濾胞性ヘルパーT細胞によるB細胞活性化と抗体産生を試験管内で抑制し、またLAG3+TregはB細胞のアポトーシスを誘導していることも明らかとなった。また、本細胞群はヒト化マウスの移植片対宿主病(GVHD)を生体内で抑制した。作用機序においては、細胞接触因子が重要であることを明らかにし、阻害抗体の実験から、PD-1/PD-L1系が重要であることが明らかとなった。LAG3+TregはIL-10産生制御性T細胞(Tr1)と考えられるが、ヒト二次リンパ組織におけるTr1が同定されたのは本研究が初めてである。現在論文投稿中である。 続いて我々は、ヒトLAG3+Tregを末梢血単核球(PBMC)でも同定し、扁桃のLAG3+Tregと同様のTr1の性質をもつことを明らかにした。特に疾患活動性の高い関節リウマチ患者のPBMCでヒトLAG3+Tregが低く、加療により増加することが明らかとなった。LAG3+Tregは自己免疫疾患を抑制する細胞集団と考えられた。本研究の結果の一部は、マウスの結果と併せてNature Communicationsに掲載された(Nat Commun. 2015;6:6329.)。現在、ヒトPBMCにおけるLAG3+Tregが関節リウマチの加療によって増加する機序を明らかにしており、その結果について論文投稿準備中である。
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[Journal Article] TGF-β3-expressing CD4+CD25-LAG3+ regulatory T cells control humoral immune responses.2015
Author(s)
Okamura T, Sumitomo S, Morita K, Iwasaki Y, Inoue M, Nakachi S, Komai T, Shoda H, Miyazaki Jun-ichi, Fujio K, Yamamoto K.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 6
Pages: 6329
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] A quantitative alteration of Human CD4+CD25-LAG3+Tregs in patients with Rheumatoid Arthritis2014
Author(s)
NAKACHI Shinichiro, SUMITOMO Shuji, TSUCHIDA Yumi, KATO Rika, TSUCHIYA Haruka, NAGAFUCHI Yasuo, HANATA Norio, KOMAI Toshihiko, SAKURAI Keiichi, SHODA Hirofumi, OKAMURA Tomohisa, FUJIO Keishi, YAMAMOTO Kazuhiko
Organizer
第43回日本免疫学会学術集会
Place of Presentation
国立京都国際会館(京都府京都市)
Year and Date
2014-12-10 – 2014-12-12
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