2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860807
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
朴木 博幸 富山大学, 大学病院, 助教 (90512088)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫学 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチは関節の骨破壊を伴う慢性炎症性疾患でこの骨破壊に破骨細胞が重要な役割を果たす。また破骨細胞はM-CSF,RANKLの存在下でマクロファージから分化誘導されることも知られている。今回、関節リウマチの骨破壊におけるマクロファージのSirt1の役割を調べるため、マクロファージのSirt1遺伝子がノックアウトされたマウス(ノックアウトマウス)と野生型マウスを使用した。ノックアウトマウスと野生型マウスのそれぞれから骨髄マクロファージを分離精製し、破骨細胞の分化誘導に必要なM-CSF,RANKLを用いて同じ条件で骨髄マクロファージを破骨細胞に分化誘導した。分化誘導された細胞をTRAP染色し赤く染色された多核巨細胞を破骨細胞とした。分化誘導された破骨細胞数をカウントし、ノックアウトマウスと野生型マウスの両者由来の破骨細胞数の平均値を比較したところノックアウトマウス由来の破骨細胞数の平均値は野生型マウスのそれよりも多い傾向にあった。次にノックアウトマウスと野生型マウスの間で破骨細胞の分化誘導に関する細胞内蛋白の発現の程度に違いがあるかを評価した。破骨細胞の分化誘導に関するマスター転写因子のNFATc1に着目し、Western blot法を用いてノックアウトマウスと野生型マウス間でのNFATc1の発現を蛋白レベルで評価したところノックアウトマウスの方が野生型マウスに比べNFATc1の発現が亢進しておりTRAP染色の結果と矛盾しないと考えられた。これらのことから関節炎におけるマクロファージのSirt1の機能は破骨細胞の分化誘導を抑制し関節炎の発症を抑制する方向に作用する可能性が示唆された。
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