2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860808
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 蘭 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10599525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗MDA5交代陽性皮膚筋炎症例は、難治性急速進行性間質性肺炎を併発する率が高く、皮膚筋炎の中でも最も生命予後の悪い群のひとつである。抗MDA5抗体陽性例に対しては、早期より3剤併用治療(プレドニゾロン、シクロスポリン、シクロホスファミド)を行うことにより救命率が上がることが近年示唆されてきているが、それでも6か月生存率が75%程度である。そこで、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎症例における予後不良因子を解析するため、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎19例を3剤併用治療のみで寛解した生存群(12例)、3剤併用ではコントロールできず血液浄化療法を要した難治群(3例)、3剤併用治療で効果なく死亡した死亡群(4例)の3群に分け、治療前の血清IL-6の差を検討した。また、難治群の治療経過における血清IL-6・フェリチン・KL-6・抗MDA5抗体価の推移を検討した。 治療前血清IL-6は生存群に比して難治群で有意に高かった(p=0.0001)。死亡群も生存群に比して高い傾向はあったが有意差は得られなかった(p=0.053)。治療経過中の各種因子の推移は3剤併用治療開始後IL-6,抗MDA5抗体価は徐々に低下傾向を認めたものの、フェリチン値・KL-6は順調には低下せず、血漿交換療法導入後に低下を認め、疾患活動性のコントロールができるようになっていった。これらのことから、治療前血清IL-6は抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎症例の予後予測因子になり得る。治療前血清IL-6が高値であったり、3剤併用療法開始後もKL-6・フェリチン値の低下がなかなか見られない症例については、早期に血漿交換療法の追加導入することで予後を改善できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H26年4月~H27年4月まで産前・産後休暇及び育児休暇取得中であった。
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Strategy for Future Research Activity |
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎症例の末梢血単球・マクロファージの表面マーカー解析・細胞刺激によるサイトカイン産生能を健常人と比較する。 健常人及び抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎症例の末梢血よりplasmacytoid DCを分離し、抗MDA5抗体陽性例もしくは健常人のIgGとともにincubationし、サイトカイン産生能を比較する。
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Causes of Carryover |
H26年度は産前・産後休暇及び育児休暇を取得していたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗MDA5抗体陽性例及び健常人の末梢血単球・樹状細胞抽出、培養のための試薬購入・機器整備。 細胞が産生するサイトカイン測定のためのELISAキット購入 抗MDA5抗体陽性例及び健常人の血清中IgG精製するための試薬・備品購入
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